早くも真夏日が観測され、今年も暑い季節がやってきました。
我が家のチビさんも汗をかいていますが、クーラーや扇風機ではちょっと体に障りますし、
持ち運びができるので、扇子がなかなか便利です。
しかし今手持ちの扇子がよれよれなので、良いものを求めて、日本橋 伊場仙にお邪魔しました。
伊場仙 は、創業天正18年(1590年)!
実に420年以上もの歴史を持つ、江戸開府の頃からの老舗です。
店内にはたくさんの絵柄の扇子や団扇があり、選ぶのに迷ってしまいますが、
今回はせっかくなので江戸扇子を中心に見せていただきました。
江戸扇子はその名の通り江戸で売られた扇子のかたちで、地味ですがスッキリと粋な柄と、その柄の大胆さに合わせた親骨の太さ、骨数の少なさが特徴です。
噺家さんや棋士、日本舞踊の方などにも使われています。
左:昨年世界遺産に登録された富士山の絵柄
右:縁起柄の江戸扇子。
千鳥...千を取る(多くを得る)
ひょうたん...無病息災
トンボ...勝ち虫
もともと扇子は高貴な人々のアクセサリとして使われていたそうですが、江戸時代に入って庶民にも扇子が広まり、夏の納涼に使われるようになったとのことです。
扇子の柄に遊び心があって、当時の江戸っ子たちはこういうところでもオシャレを楽しんでいたんだろうなと思いました。
左上:男性向けの江戸扇子。
右上:女性向けの梅小紋柄。
下段:どちらも裏は色違いになっています。
ちなみに、私は無病息災を祈って、縁起柄のひょうたんにしました。
さりげなく、裏面は薄紫色です。
伊場仙の扇子は厳選された竹と紙が使用されており、あおぐと石けんのようなお香のような良い香りがフワッとします。
目立たない部分にこだわりがあって、よく見ると「おっ!」と思わせるところが江戸っぽくて好きです。
また、江戸扇子はその製作工程を全て一人の職人がこなすため、修行に時間がかかり、技を受け継いだ職人の数は少ないようです。
こんなにたくさんの柄を手に取って選べるところはあまりないので、伊場仙は貴重なお店だと思います。
毎年、新柄をだされているそうで、江戸扇子以外にも限定コラボ商品もあるみたいです。
歌舞伎座と伊場仙のコラボ。こちらの店舗か歌舞伎座での限定販売。
江戸の人たちが好んだと言われる薄浅葱色が涼しげです。
左奥はくまモンとのコラボ。
よく見かける京扇子も優美でよいですが、スキッとした江戸扇子は特に男性が持たれるのも素敵だな個人的には思います。
6月15日の父の日のプレゼントにも良いですね。
今年の夏は、伊場仙の扇子で粋に涼んでみてはいかがでしょうか。
◆伊場仙
住所:中央区日本橋小舟町4番1号
ホームページ:http://www.ibasen.co.jp/index.html
優しくいろいろとご対応くださったお店の方に感謝いたします。