右肩腱板断裂の手術で休演していた仁左衛門さんが昨年10月以来7か月ぶりに舞台に戻ってきました。歌舞伎座入り口で松嶋屋の番頭さんのお顔を見るのも久しぶり。
出演するのは昼の部最後の舞踊「お祭り」。20年前に大病から復帰した時と同じ演目です。幕が開いて浅葱幕が落とされると大拍手。大向こうから「待ってました!」と声がかかると「待っていたとは有難い」と鳶頭が応えるのがお約束ですが、大向こうならぬ1階席の後ろの方からも。7か月も待たされたのですから気持ちはよくわかります。
「からみ」は中学三年生になった孫の千之助さんです。インタビューによると「復帰後のお祭りではからみはすっきりと」という十八代目勘三郎さんのアドバイスに従っているとのこと。しばらく舞台で見ない間に千之助さんもすっかり大人っぽくなってきました。隣の席の中年の男性が幕が下りたあと、「幸せ!」とつぶやいていらしたのが客席の気分を代表しているようでした。夜の部「蘭平物狂」で松緑さんの長男、大河くんが三代目尾上左近として初舞台となるのも話題です。
昼の部はお国山三の「春霞歌舞伎草子」、「実盛物語」、大石最後の日」、夜の部は他に「素襖落」「名月八幡祭」です。
6月25日まで お問い合わせはチケットホン松竹 0570-000-489(10:00~18:00)