ハイグレードな商品を扱う「くだもの屋さん」のケースに、形よく並べられた紅色の宝石。
張りのある輝き。乙女のくちびるさながらの紅色。
口に含むと、ひろがる甘さの中に、わずかな酸味がアクセントをつけます。
いくつでも食べられるんだな、サクランボ。
見た目も、歯ざわりも、味も、高い水準を表現する、桜桃の季節になりました。
6月21日土曜日に、さくらんぼがとても身近になるイベントが開催されました。
会場は、築地本願寺の広い駐車場。
さくらんぼの種飛ばし大会です。
競技は、当日先着500名が参加できます。
11時20分ごろには、出場枠500名が満員御礼となる盛況ぶり。
昨夜の雨も日の出前にはあがり、ややアゲインストの風が吹く中、競技開始です。
3人ずつスタート台に立って、1メートル間隔で距離が示された赤いカーペットめがけて、種を吹き飛ばします。
あの宝石の核になる種を、空中めがけて飛ばすなんて、何かもったいなくて、申し訳ない気分。
慣れない競技だけに、皆さん数メートル飛ばすのが精いっぱい。
時折、10メートル超えが出ると、「おおーっ」と歓声が沸きます。
用意された「さくらんぼ」は、生産量日本一を誇る山形県東根市の「佐藤錦」です。
日持ちしにくいデリケートなサクランボ。
これを大正11年に、佐藤栄助さんの品種改良にかけた情熱が実を結び、佐藤錦が誕生します。
東根市は、その佐藤錦の発祥の地なのです。
そして東根市は、中央区との縁が深いところです。
1991年に友好都市提携を結んでいます。
中央区役所の1階ロビーには、友好都市の提携書や記念の品が展示されています。
超えろ最高記録17m83cm。
東根市さくらんぼ種飛ばしの記録です。
スタート台に向かい、約20メートルこちら側から眺めると、その距離はとても遠くに感じます。
順番待ちの女の子が、「練習しなきゃ」と、ピューッと吹き飛ばしていました。
勢いはありましたが、飛距離3メートル。「もっと上半身のバネを使わなきゃ」。
本番、頑張ってくださいね。
果樹王国山形県は、さくらんぼを皮切りに、ぶどう、桃、リンゴ、ラ・フランスなどのフルーツ狩りをたっぷり楽しめます。
この夏、デスティネーション・キャンペーンのエリアにもなっており、楽しいイベントが数多く繰り広げられます。
気に入った一粒を、樹の枝から直接もぎ取って口に入れるのも、至福のひと時。
「行くぞ東北」。山形新幹線の駅名も「さくらんぼ東根」でした。