今日はチョット変わった銀座の路地裏探検のデイトコースを紹介しましょう。
出発点は、銀座7丁目交詢社通りにある「とんかつ」の老舗「銀座梅林」脇の路地の入口からです。
ここでは通ぶって「梅林」と呼ばずに「ちんとんしゃん」でメシを食おう!と言いましょう。
「銀座梅林」は開店以来、初代と親交のあった講談師の五代目一龍斎貞丈師から贈られた色紙に描かれている「珍豚美人(ちんとんしゃん)」から贔屓筋の客からは「ちんとんしゃん」と呼ばれているのです。
銀座の名店で食事となると財布のほうが...。って方もいらっしゃるかもしれませんが、一番高いロースかつ定食で\2800、串カツライスなら\1000、メンチカツライスなら\950とリーズナブルな値段です。
さて、お腹が一杯になったらいよいよ路地に突入です。
梅林の店を出たら、「お茶でも飲もう!」と言ってすぐ右手の路地を入って行きます。
狭く薄暗い路地を進むとき、彼女は「何でこんな不気味な生温かい道を入って行くんだろう?」って不安になること間違いなしです。
50mほど進むと突き当たりに白いドアがあります。触れると開くタイプの自動ドアです。
彼女は「何でこんなところにドアがあるの?」っと思うに違いありません。
そこで、必ず彼女にドアを開けさせてください。
ドアが開くと、何とまあ!そこはお洒落なカフェが出現するのです。
まるで、どこでもドアで別世界に瞬間移動したような気持ちになること間違いありません。
その先にはまたドアがあって路地が続きますが、そのまま店内を通って銀座通りに出ることもできます。
それでは何でこのような不思議な組み合わせができたのでしょう?
それは前回の「出世路地」でお話しした「通行地役権」とビルの所有者の利益との兼ね合いにあると思われます。
元々路地があったところに建物を建てる場合、その路地が私道ならば地主は当然路地の部分も含めて建物を建てたいと思います。けれど、その路地が一般の人の通行が認められてきた場合、その通行人の通行する権利も保護する必要があるわけです。つまり、地主といえども勝手に私道を閉鎖したり潰したりすることはできないのです。
このカフェの入っているビルのオーナーは1階部分の店舗が路地で分断されず、尚且つ通行の権利も認めるという苦肉の策(というよりもグッドアイデア!)でこのようなドアを作ったと思われます。
つまり、通常はカフェは路地部分もドアで仕切られているのでカフェとして使うことが出来るし、通行人(ほとんど居るとは思えないが...)は必要に応じてドアを開けて通行することができるのです。
さて、カフェで一休みしたら路地探検の続きです。
銀座通りに出ずに、先ほど開けたドアの向かい側のドアを開けるとそこはまた路地の続きになります。
しばらく行くと今度は本当に行き止まりになってしまいますが、そのちょっと手前に右に行きすずらん通りに出る路地があります。
その曲がった直ぐにビルの壁に張り付いたような小さなお稲荷様があります。
「豊岩稲荷神社」と呼ばれ明智光秀の家臣安田作兵衛が祭ったといわれ歴史もあるものらしいのですが、現在はビルの谷間にひっそりと建つ小さな祠だけです。
それでも、未だに芸能関係者の参詣が多く、また縁結びの神として近くの高級クラブのホステスさんやOLの方の参詣があるようです。
こんな路地の奥まったところにお稲荷様があるのもビックリですが、近年パワースポットとして知られてきたようです。
何と言っても縁結びの神様ですから二人でそっとお祈りをして二人の愛を確かめては如何でしょうか?
その結果に関しては責任は持てませんが...(笑)