ブームの書下ろし時代小説の中でも目立っているのが料理人もの。「みをつくし料理帖」(高田郁)や「料理人季蔵捕物控」(和田はつ子)などに登場する江戸時代の料理の多彩なことには驚嘆してしまう。勿論作家の筆に冴えによるところが多いと思うが如何にも美味しそうでつい作ってみたものの。・・・味がきまらない。・・どちらの作品にも出てくる万能調味料「煎酒」が最近復元・市販されるようになり人気と聞き銀座三河屋さんにやってきました。(これさえあれば、私でも。・・・・・)
「煎酒」(いりざけ)は「日本酒に梅干しと花かつおを入れ煮詰めたもの」でお店によって味も少しずつ違ったようで作るのも料理人の腕の見せ所だったようです。「甘みそ」は「18か月間天然醸造された豆味噌に化学調味料は使用せず自然な甘みを加え丹念に練り上げたもの」、江戸時代には砂糖が大変高価だったため貴重品だったとのこと。豆腐田楽や味噌おでん、焼きおにぎりにもいいそうです。
三河屋さんは「江戸の食と伝統を今日に伝える江戸食(スローフード)の店」と案内にあるように元禄時代汐留に酒商としてお店を開いたのが始まりで江戸後期には銀座8丁目で御用商人として小間物を徳川家や大名に納めていた老舗です。江戸開府400年の平成15年に「江戸食の店」として現在の業態になりました。
「あわび煮貝」や「昔の沢庵」「里牛蒡」「煮ぬき汁」など江戸時代からの変わらぬ味の他、最近では古文書を元に再現された「江戸元禄の酒」が人気です。
江戸のDNAが脈々と受け継がれているのでしょうか?店内には江戸料理の書籍なども紹介されていて、江戸好きには見逃せないとても楽しいお店です。
帰りに近くの珈琲「玲」にお寄りしてマダムに「煎酒」の話をすると「何といっても玉子かけごはんが最高!」とのこと。そういえば「煎酒」が発売されているという話を最初に伺ったのはこちらだったか!と漸く思い出しました。ああ!年齢のせいでしょうか?「煎酒」のレシピもいただいたのでこれからしばらくいろいろ試してみることにしましょう。
「我流創作料理」の実験台にされる家人にいつも迷惑がられているのですが、これなら大丈夫そうです。ふふふ
煎酒300ml 600円、甘みそ600円(税別)
銀座三河屋 銀座8-8-18金春.通り TEL3571-0136 11:00~20:00(日祝休み)www.ginza-mikawaya.jp