「ずっと気になっているのにタイミングが悪くて・・・・」という処、どなたでも1~2か所はおありのことでしょう。私にとってこの「べったら市」はそのひとつでした。念願かなって漸く初日の今日19日に行けることに。
小伝馬町駅に降りた時からかなり興奮状態。3番出口には案内板と法被を着た係りの方も見えます。案内通りに左に折れるとすぐに市の入り口。ぎっしりの屋台やお供えの切山椒のお店を横目で見てまずは寳田恵比寿神社へお参りしてから。この通りはべったら漬のお店が連なっています。試食用の皿を片手に呼び込みの声も「お祭り」気分を盛り上げてくれます。
奉納提灯に玉三郎さんや菊五郎さんの名前も見えます。
あ!落語家も。大伝馬町の伝統の神輿も。
さあ、べったら漬を買わなくっちゃ。
数軒試食して威勢のいいオニイサンから買うことにしました。1本1,500円也。
ご存じのようにこのべったら漬は大伝馬町にある寳田恵比寿神社の恵比寿講の市でお供え物と一緒に売られるようになった大根の米こうじ漬け。購入した大根が衣服に触れるとかすがべったりとつくことから「べったら漬」と呼ばれるようになったと『中央区ものしり百科』にありました。このべったら漬が有名になりいつしか市の名も「べったら市」となったもの。寳田恵比寿神社の神像は家康から大伝馬町の名主であった馬込勘解由が拝領したものといわれています。そうそう、「えびす講」の起こりはご存知ですか?10月は神無月といわれ神様はみんな出雲に大集合、その間居残るのはこの恵比寿様だけ。置いてけぼりにされた恵比寿様を慰めようということから起こったと言われています。(「日本の暦と年中行事」より)べったら市は毎年10月19、20日の2日間開かれます。今年いらっしゃれなかった方は来年ぜひ秋の風物詩を楽しみにおでかけください。
拙宅では新米と念願のべったら漬で夕食となりました。最後の将軍慶喜も好物だったとのこと、「よくぞ日本に生まれけり」としみじみ感じる秋の夜です。