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忠臣蔵のおもかげ

[小江戸板橋] 2014年12月10日 14:00

平成26年12月14日。

師走の衆議院議員選挙投票日となるこの日。

公示前のテレビでは、赤穂浪士の討ち入り映像と合わせて、年の瀬選挙のあわただしさを伝えていました。

 

「時に元禄15年12月14日」・・か。

「江戸の夜風をふるわせて、響くは山鹿流儀の陣太鼓、しかも一打ち二打ち三流れ」

三波春夫の長編歌謡浪曲、『俵星玄蕃』

歯切れの良いせりふ回し、ドラマチックな場面展開に、小学生ながら二度三度聞いているうちに覚えてしまい、町内会のかくし芸や忘年会の時には重宝しました。

 

いま、時折、江戸の古地図を広げながら街歩きをするのですが、忠臣蔵関連の散策は王道とも言えるものです。

本懐を遂げて、本所松坂町から、浅野長矩の墓前高輪泉岳寺に向かう道のりは、師走のゴールデンルートです。

赤穂浪士は引き揚げ時も、武装を解除することなく進みました。

鎖帷子で身を守り、弓、槍、なぎなたで武装し、集団で討ち入ったうえは、吉良上野介の実子上杉綱憲からの討手や、公儀の治安部隊の追撃に備えなければなりません。

 

中央区内の引き揚げルートは、永代橋から始まります。

現在の位置より、150メートルほど上流に架橋されていたというのですから、隅田川大橋あたりになるのでしょう。

湊橋から霊岸島、亀島を通り、高橋を渡ります。

その先にあったのが、赤穂藩上屋敷。

今の聖路加看護大学、明石小学校周辺にあたります。

ここは、浅野内匠頭長矩の生誕地でもあるのです。

更に南に進めば、築地本願寺。子院が甍をならべて連なります。

四十七士のひとり、間新六の供養塔が残ります。

引き揚げの途中、自らの供養料を槍に結びつけ、寺の塀の中に投げ入れたとの話が伝わります。

築地市場を通り、昭和通から汐留通へ進むと、港区へ入ります。

 

何冊かの本を読み比べてみたのですが、本当のところ、細やかなルートは分かりません。

ただ、元禄15年、1702年から300余年を経た今でも、河川や橋の跡に面影を求めることができます。

300年の時を越えて、大江戸の事件を追ってみるのも興味あるものです。

 

愛知県の吉良町に旅行した折、地元の方々による「吉良側から見た忠臣蔵」の演劇を見ました。

その心意気が面白く、地元で名君と慕われ、領地巡回の際に乗った「吉良の赤馬」の根付を購入しました。