日本のウイスキーの父竹鶴政孝・リタ夫妻をモデルにした朝ドラ『マッサン』が大人気です。かく言う私も毎日見るのを楽しみにしていますが、本日は月島・佃が舞台になった朝ドラの『瞳』(2008年に放送)を紹介したいと思います。
トロンボーン奏者中川英二郎によるテーマ曲演奏と佃・月島の鳥瞰図のオープニングから始まる『瞳』は、札幌でヒップホップダンサーを目指す榮倉奈々演じる主人公の一本木 瞳(20歳)が、母の百子とともに月島の祖母のお葬式のため上京し、今まで写真でしか見たことが無かった祖父と17年ぶりに対面する場面から始まります。祖父の勝太郎は里親(東京都の養育家庭制度:
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/satooya/seido/hotfamily/index.html)
として中学生を筆頭に3人の里子を育てていますが、瞳は亡くなった祖母に代わり若い里親として月島の祖父宅で暮らしながら渋谷のダンススクールに通いヒップホップダンサーを目指すことになります。
里親とダンスの両立を甘く見ていた瞳は様々な小事件を経ながら、祖父勝太郎、里子とも心を通わせ、月島の人々にも支えられ自らも成長していきます。一方、ダンススクールでも、ダンスはピカイチながらアクの強い仲間とユニットを組んで、大会への入賞を目指します。大会は終わりユニットは解散し、脱力感に襲われた瞳は、今まで化粧品会社で働きながら女手一つで瞳を育て、今は東京支社に転勤してバリバリ働く母百子の働く姿を見て、自らもお世話になった月島の人たちに得意なダンスを通じて恩返ししたいと、月島で老若男女が楽しめるダンス教室を始めます。そんなある日、祖父勝太郎とも不仲で百子と離婚した父親が住吉神社に現れ。。。「第25週・けじめの夏」から「第26週(最終週)・祭りの町で」は、大幟(おおのぼり)柱の掘り起こし、千貫みこしの組み立てと住吉神社例大祭当日へ向けての場面を挟みながら、ドラマもいよいよクライマックスです。
【住吉神社大祭大幟:佃まちかど展示館に展示】
実は、残念ながら『瞳』の視聴率はNHKの歴代朝ドラの中ではかなり低く、また放送当時のマスコミやネットなどの評価でも酷評が目立つ作品だったようです。個人的な感想ですが、出勤や通学など朝の慌しい時間帯に放送されるドラマとしては、里親、両親の離婚といった家族のあり方・再生などのやや重い話題を扱っていることや、テレビをゆっくり見ることのできるシニア層にはやや理解を得られにくそうなヒップホップも入ってしまったことが視聴者のハードルを高くしてしまった原因なのかもしれません。私は、夜ゆっくりとビールなど飲みながらお話を楽しみましたが、このドラマはゆっくりとくつろいで見るのがお勧めです。全話156回ですのであせらずに!
【住吉神社の正月風景】
閑話休題、下町の風情や人間関係が色濃く残る月島・佃を舞台とした『瞳」には中央区のみどころがたくさん登場します。瞳の住む月島の西仲通り(もんじゃストリート)にある勝太郎の一本木洋品店と月島の路地の風景、中央大橋と瞳たちがダンスの練習をする佃のパリ広場、住吉神社から勝鬨橋までの親水テラス、そして築地市場。また、里子の子供たちが通う設定の月島南中学校(実在せず)は佃中学校(佃2丁目)でロケを行ったようです。また、船渡御(ふなとぎょ)をはじめとする例大祭の様子がドラマの中で手に取るように見られますので、特に第25週、第26週(DVDでは第13巻)はお勧めです。NHKのオンデマンドにはアップされていないようですが、NHKエンタープライズ発売のDVD(レンタルもあります)で楽しめます。
【 『瞳』 DVD NHKエンタープライズから発売】