中央区観光協会オフィシャルブログ

中央区観光協会特派員ブログ

中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

執筆者一覧

>>このブログについて

最近のブログ記事

第60回寒中水浴大会(寒中禊)~鐵砲洲稲荷神社

[お江戸太郎] 2015年1月14日 12:00

東京都中央区の新年の風物詩である鐡砲洲稲荷神社の寒中水浴大会に行ってきました。

 

1)日時
平成27年1月11日(日曜日)午前 11時〜11時35分 に実施されました。
 
2)開催場所
鐡砲洲稲荷神社境内(中央区湊1丁目6−7)
 
3)概要
1年の無病息災を願う禊祓の神事として始められた。
昭和30年から始まり、今年で60回目です。
宮司のお祓いの後入念な準備運動を行ない、約100人の褌姿(女性は白装束)の人々が氷柱を入れた水槽に入ります。
 
4)寒中水浴の意義
毎年、正月初旬に鐡砲洲稲荷神社で行われる寒中水浴は、新春に神前で冷水を浴び心身を清める禊を行って無病息災を祈願する神事で、かつては寒垢離や寒禊と呼ばれて、江戸時代から武士や庶民の間で広く行われてきた年始めの行事です。垢離は漢語にはなく、純粋の和語ですので、日本独自の風習であることがわかります。
鐡砲洲稲荷神社で行われる寒垢離は江戸時代、薄着と水浴により流行病から救われた地元の人々が氏神様への感謝の気持ちを込めて始まったものといわれ、戦後、先代の中川正光宮司(明治41年〜平成17年)が寒中水浴大会という現代語に置き換えて復活されたもので、平成27年で60回目を迎える伝統の祭礼です。
平成20年に交通新聞社から発行された大人の首都圏散策マガジン「散歩の達人ムック/祭り&イベントカレンダー2009」の「水の祭り」の部でトップに紹介されたことから、関東一の伝統と格式ある水の祭りとして人気を集め、毎年参加者と拝観者が増えています。
 
5)寒中水浴の行法
文久2年大分県宇佐郡に生まれた川面凡児という先人が廃れていた奈良時代の 禊行法を復興し、現在、川面流として、東京都青梅市御岳山山頂(929m)に鎮座する武蔵御嶽神社の滝行など、各地で実践されています。いくつもの流派がありますが、大きな違いはなく、鐡砲洲稲荷神社で行われる寒中水浴も東京都神社庁練成行事道彦(導師)・篠直嗣氷川神社宮司の指導により、川面流の禊行法で行われます。
 
公道に出て神社一周のランニングの後、神楽殿で奉奏される鐡砲州囃子が流れるなか、準備運動の鳥船などを行い、大きな氷柱を入れて冷却した水槽に入り、胸まで冷水に浸かって「祓戸大神、祓戸大神...」と唱えつつ振魂を行ないながら心身を祓い浄めます。終了後、再び鳥船などによる整理運動を行って、寒禊を終えます。
 
祓戸大神は、神道における祓を司る神々で、瀬織津比売(罪•穢れを川から海へ流す)•速開都比売(海底で罪•穢れを飲み込む)・気吹戸主(根の国に息吹を放つ)・速佐須良比売(根の国に持ち込まれた罪・穢れをさすらって失う)の四神です。祓戸四神ともいい、現在の廃棄物処理と同様のコンセプトにより、我々の罪・穢れを地中深く放逐する有り難い神々です。そのため、水行中は祓戸大神を幾度と無く唱えます。6月と12月の大祓における宮司の祝詞「大祓詞」には、この大神たちによる罪・穢れのリレーが唱えられていますので、良く聞いているとわかります。

具体的な行法は次の通りです。
 
1)神社一周ランニング
2)鳥船行事(とりふねぎょうじ)
3)振魂(ふりたま)
4)雄健行事(おたけびぎょうじ)
5)雄詰行事(おころびぎょうじ)
6)氣吹行事(いぶきぎょうじ)
7)寒禊(かんみそぎ)

出典:鐡砲州稲荷神社 弥生会の水浴参加者へのご案内

ck1413_201501141.jpeg ck1413_201501142.jpeg

ck1413_201501143.jpeg ck1413_201501144.jpeg