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◆中央区 ここに歴史あり(58) 金春芸者から生まれた「新橋色」

[巻渕彰/写楽さい] 2015年2月13日 14:00

「新橋色(しんばしいろ)」という伝統色がある。辞書には「染め色の名。青みがかった薄緑色。明治末から大正期に新橋の芸者から流行した色」(『スーパー大辞林』第3版)とある。

 

0913_58_150211sinbashiiro.jpg新橋芸者の置屋は銀座金春屋敷跡にあり金春芸者と呼ばれたことで、別名「金春色(こんぱるいろ)」ともいわれる。現在、金春通りの街路灯表示はこの新橋色で彩られている(写真上)

 

江戸期、この辺りには室町時代から栄えた能役者四家の一つ、金春家の屋敷があった。明治維新後は、日本橋・柳橋とここ新橋が三橋花街として賑わった。近代東京の草創期の当時は、新しいものが好まれ、化学染料を使った染色が新橋色であった。銀座煉瓦街やガス燈など西洋文明が導入されていった銀座にあって、ハイカラな感覚が新鮮に受け入れられたのであろう。

 

日本画家・鏑木清方の美人画にもこの色が効果的に使われていたという。新交通ゆりかもめ「新橋駅」のテーマカラーは「新橋色」、文様は「柳縞」である(写真下=ゆりかもめHPから)。@巻渕彰