築地のとなりにある中央区明石町。
この明石町には聖路加国際病院がありますが、二月に入り家族がなんとこの病院に入院することに。今回は、良い機会というのもなんですが、患者側の立場として病院の中を廻ってみました。
写真の左側の十字架の尖塔がある建物が旧館、右側奥のタワービルが聖路加タワー、そしてこの2つの建物の間にある建物が本館となっており、この3つの建物は2階レベルでそれぞれ渡り廊下のような通路でつながっています。入院患者は真ん中の本館で過ごします。
本館と聖路加タワーは90年代に建てられた比較的新しい建物ですが、旧館は1933年に建てられた建物がベースで、歴史ある建物となっています。
また、夜になると十字架のある尖塔が輝く、ここ明石町のシンボルと言ってよい建物です。
明石町界隈に来ると、なんとなく前向きな気持ちにさせてくれるような、不思議な感じがするのですが、そういう雰囲気にさせてくれるのはこの建物のおかげだと勝手に思っています。
この旧館には1936年にできた古い礼拝堂(チャペル)があるのですが、今まではなかなか入る機会もなく、旧館の北側からチャペルの建物を仰ぎ見るだけでした。
しかし今回は、手術前、手術の日、そして手術後のリハビリ歩行の付き添いを兼ねて何度か訪問させていただく機会に恵まれました。
本館から旧館へは2階の渡り廊下を使いました。廊下を進むと、トイスラー記念館が眼下に見える画廊が現れ、さらに進むと旧館の中心部である2階のスペースに出ます。
すぐ右がチャペルなのですが、入り口はガラス張りになっており、チャペルの外から中を見ることができます。そのせいか、入りやすいチャペルだなと思いました。
昔この旧館が病棟だった頃は、患者が上の各階からこのチャペルの中を見ることができる、お祈りすることができる、病院とチャペルが一体となったような造りだったそうです。
チャペルの中は神聖な空間ということで写真の撮影はできませんが、チャペル外観からは想像ができない、高い天井にまず驚きました。
椅子に座ると思わず、ずっと天井を眺めてしまいます。
壁は石を積み上げたような形で天井まで続いており、落ちてこないのかと不思議です。
ステンドグラスの背の高い窓からは、やさしい光が差し込みます。
荘厳な雰囲気の中にパイプオルガンの音が絶えず流れる、落ち着く空間・癒しの空間です。
チャペルを出ると、反対側にはチャペルの休憩スペースがあります。
この場所も昔からの建物なので、床がミシミシ系。椅子に座ってしまうと、いい心地で眠くなってしまいます。
このチャペルは病院で働かれている方、学ばれている方や患者のためだけでなく、外の方にも開かれているチャペルで、定期的にパイプオルガンのコンサートなども開催されています。
私も今回、毎月第一水曜日夕方に開催されているコンサートに訪問させていただきましたが、いい雰囲気に浸れて良い時間を過ごすことができました。その日は手術の日で終わった後だったので安心感のせいか、よりそう感じられたのかもしれません。
今度は患者側の立場としてではなく、また来てもイイかな、と思いました。