晴海トリトンスクエアの「緑のテラス」「花のテラス」等の植え込みでは、草木が徐々に芽吹き、万物が活動を始める春を、漸う肌で感じられる季節になりました。
館内 ポケットプラザ「花・水・木」のグリーンアドバイザーの案内で園内を散策する毎月恒例の「ミニガーデンガイドツアー」。
今月は5日に、「早春の花たち」のテーマにて行なわれた「プランツ ウォーク レクチャー」の中から、春先に、我こそはと競い合って咲くキンポウゲ科の花を取り上げてみました。
キンポウゲ科の植物は被子植物の中では最も原始的な群のひとつとされ、観賞価値の高い花を咲かせるものやアルカロイドを含んだものも多く、園芸植物や薬用植物としても利用されているようです。
現在、朝潮運河沿いのスロープガーデンには、色とりどりのキンポウゲ科の「アネモネ ポルト」に加え、キク科の「オステオスぺルマム キララ」(花の中心までクリアなイエローの花色が魅力)が植栽され、柔らかな陽射しを受け、心地好さそうに咲いています。
"木の芽時"、ゴムチップ舗装で仕上げられた園路を散策し、この時季の「一歩一景」(一歩一歩歩く毎に、違った素晴らしい景色が見られるという意味)を愉しまれてはいかがでしょう。
☆ラナンキュラス(右上)
南欧~西アジア原産。
園芸種の、紙のように薄い花びらが幾重にも重なった八重咲きに人気。
花型・花色が多彩。
別名ハナキンポウゲ。
☆アネモネ ポルト
地中海沿岸原産。
「覆輪」「暈し咲き」等の花柄、「八重咲き」「菊咲き」「丁子咲き」等の花型が豊富。
花色も多彩。
花弁に見えるのは萼片。
左から、アネモネ ポルト スカーレット/オーキッド/ブルー/パール。
☆所謂 "クリスマスローズ"
"クリスマスローズ" は本来、ヘレボラス属の中の、クリスマスの頃開花する 「ニゲル」という
種につけられた名とされますが、日本ではヘレボラス属全体の呼称というのが一般的。
言い換えれば、前者は狭義の "クリスマスローズ" 、後者は広義の "クリスマスローズ"。
国内では、早春から春咲きの「オリエンタリス」を元にした園芸品種が広く普及している為、
"クリスマスローズ" という名に若干違和感を覚える方もいらっしゃるかも知れません。
"クリスマスローズ" は冬のまだ寒い時期に俯き加減に咲く清楚な姿に人気があり、
「冬の貴婦人」の異名もあると聞きます。
花弁に見えるのは萼片。
左から、ヘレボラス オリエンタリス/アーグチフォリウス/リビダス。