「心ある人たちに多忙を差し繰ってもご覧になることをお勧めする」「高貴な魂の持つ品格と温かさと孤独を描き切って無類」と各紙絶賛の三月歌舞伎「菅原伝授手習鑑」は皆様ご存知の通り歌舞伎三大名作の一つとして知られる菅原道真(菅丞相)の大宰府流罪を題材にした人気狂言です。
名場面続きの各段を独立して上演することが多いのですが、今回は昼夜通し上演で歌舞伎座では13年ぶりとのこと。満席の客席には珍しく男性の姿が目立ちます。菅丞相は当たり役の仁左衛門さんが演じ、若手が主力の舞台です。事件の発端となる「加茂堤」から「筆法伝授」「道明寺」と息つく暇もない展開ですが、左中弁希世の橘太郎さんと奴宅内の愛之助さんが笑いを取ります。同行の友人は「私、仁左衛門さんのファンになりそう!」などと浮気者め!昼の部の武部源蔵は染五郎さん、夜の部「寺小屋」では松緑さん、昼の部の戸浪は梅枝さんで夜は壱太郎さんと演じる役者さんが昼夜替わるのも楽しみです。「いずれ誰かに受け継がれるにせよこれだけの菅丞相は今をおいてみられないだろう」(日経劇評)の舞台を是非ご覧になることをおススメします。
夜は「車引」「賀の祝」「寺子屋」千穐楽は27日です。お問い合わせはチケットホン松竹
0570-000-489(10時~18時)