浜離宮恩賜庭園では、4月1日から5月16日まで、区民の皆さんに庭園の素晴らしさを知って貰おうと、「中央区ホームページ/区のおしらせ」掲載の入園整理券持参の区内居住者は無料で入園できる「花と緑の集い」を今年も実施中です。
先月末に満開となったソメイヨシノに続き、主として「潮入の池」の「お伝い橋」から「海手お伝い橋」までの池畔に植栽されている一群の所謂「八重桜」に注目が集まりがちですが、園内ではこの他にも様々な季節の花々を愉しむことができます。花木園の休憩所脇のヤマブキもそのひとつ。
花色が色彩名のひとつにもなっている程知られている花。
バラ科ヤマブキ属の落葉低木で、本種のみの一属一種。
見慣れた花姿ではありますが、古くから親しまれ、春の季語のひとつ。
やわらかな若緑色の葉と明るい黄色の花色の佇まいは、暖かみを醸し出し、春到来を告げてくれています。
ヤマブキの名の由来は、しなやかな枝が風に揺れる様を表現した「山振」から転訛したとするのが一説です。
一重咲きの他、八重咲き(ヤエザキヤマブキ)、菊咲き(キクザキヤマブキ)に加え、白花(シロバナヤマブキ)を目にします。
茶花としては、蕾の混じっている枝を、全体のバランスを整え季節感を演出するあしらいとしての「添え」として、また挿した花や枝などの根元を締め形を整える「根締め」として、用いられると聞きます。
5弁のヤマブキとは別に4弁、葉が互生に対し対生の、シロヤマブキがありますが、これは別属(バラ科シロヤマブキ属)。
シロヤマブキの葉面は皺が深く、縁はぎざぎざ。この葉が縁取りとなって白い花を引き立て、ヤマブキとは異なる端正さを感じさせます。
また花がヤマブキ似のヤマブキソウがありますが、こちらはケシ科クサノオウ属。
左からヤマブキ、ヤエヤマブキ、キクザキヤマブキ、シロバナヤマブキ、シロヤマブキ