水の都と言えば、ヴェネツィアやアムステルダムが有名ですが
江戸は、船の運搬が主流で河岸が発達して来た、まさに水の都でした。
現在の東京、特に中央区は
開発によって、さまざまな川や掘割が埋め立てられてしまいましたが
それでもなお、川と橋が多く、ウォーター・フロントであることに変わりはありません。
そんな、江戸より続く水の都をイメージ、中央区にある特徴的な橋をモチーフにデザインし、
水色の本染めで仕上げられた、オリジナル手ぬぐい『ACROSS・CLOTH』が発売されました。
上から、清洲橋、南高橋、豊海橋、日本橋、永代橋、中央大橋、勝鬨橋といった
デザイン性の高い橋で構成されている、中央区の魅力を伝える一品です。
綿100%、約35cm×90cm、¥1,000(税別)
購入出来るのは、中央区観光協会と人形町の風呂敷専門店「東京唐草屋」さんのみです。
せっかくですから、
中央区内、大川(隅田川)に架かる8つの橋(河口から順番に)と
手ぬぐいのモチーフとなっている、他3つの橋をご案内しましょう。
【大川(隅田川)に架かる橋】
①勝鬨橋
国指定重要文化財
技術を駆使して建造された東洋一の可動橋
シカゴ型双葉跳開橋=つまり、はね橋ですが
昭和45年(1970)11月29日を最後に開閉が停止となっているそう。
開らくとどうなるの?とご興味がある方には
映画「ブルース・ブラザース」の鑑賞をオススメします。
勝鬨橋ではありませんが、
シカゴ型双葉跳開橋が効果的に使用されている名シーンがあるんですよ。
ライト・アップは、ブルーの直線ラインに、双葉のアーチがグリーンで強調されています。
②佃大橋
約320年続いた、「佃の渡し」=佃島への渡船場があった場所に架けられた橋。
東京マラソン36km付近にあたり、
橋は傾斜のある登り坂+大川(隅田川)の河口でもあるので
海風が容赦なく吹き付け、挫ける人が出てくる、コース最大の難所としても知られています。
橋のある一部分に立つと、
上手にスカイ・ツリー、下手に東京タワーが同時に見渡せるポイントがあります。
③中央大橋
新川と佃を結ぶハープ橋
橋上には、東京・隅田川と、パリ・セーヌ川の友好を記念して、パリ市から贈られた
「メッセンジャーの像(彫刻家オシップ・ザッキン作)」が設置されています。
一見、平坦に見えますが、自転車は立ち漕ぎしたくなるほどの傾斜。
佃の高層ビルと相まって、ウォーター・フロントの象徴的な風景が広がります。
④永代橋
国指定重要文化財
重厚でたくましい鋼アーチ橋
アーチがライト・アップされると、ブルーの大きな虹となります。
水面にも、ブルーが映り込んで、、、その美しさは、トレンディ・ドラマの背景に多用されるほど。
ビールを飲みながら、黄昏てゆく様と、
橋のライト・アップ、屋形船の航行を眺めるのも一興です。
⑤隅田川大橋
機能重視のデザインが特徴の二層構造の橋
上段が首都高速道路9号線、下段が一般道路。
薄緑色で、景観を遮る橋として不評だけれど、
逆にこの橋からは清洲橋、中央大橋の景観が楽しめるので
カメラマンには重宝されています。
⑥清洲橋
国指定重要文化財
優美な形状はライン川の吊り橋がモデル
平べったく書いた「M」の字のよう。橋の色はグレーがかった、ニュアンスのあるブルー。
ライト・アップは、等間隔に丸い電球が並んでいる、女優ミラーのようですが、
色がピンクのため、グレー・ブルーの橋の色に反射すると、
橋は少し紫がかって、とても妖艶です。
⑦新大橋
関東大震災時に多くの人命を救った「人助け橋」
これまで、20回以上も破損、流失、焼落にあいましたが、
交通の要所として存続されて来ました。
現在の橋の黄色い支柱は、アメフトのゴールのようにも見えて、
つい、ボールをキックしたくなります。
さて、ゴッホは、浮世絵に影響を受けて作品を模写していますが、
話題に取り上げられることが多く、目にすれば、「ああ、あれねー」と想う作品は
歌川広重が最晩年に描いた「大はしあたけの夕立」でした。 (左が広重、右がゴッホ)
⑧両国橋
東京都選定歴史的建造物
「武蔵国(むさしのくに)」と「下総国(しもうさのくに)」をつなぐ橋。
高欄の下の赤い線が印象的で、親柱、欄干、橋灯、歩道柵、敷石、
すべてに凝った造作がなされています。
【手ぬぐいのモチーフになっている他の橋】
*南高橋
中央区民有形文化財
江戸時代には船見番所が置かれていた、長さ1kmの亀島川に架けられた橋
関東大震災後の復興予算の乏しさから、
旧両国橋の中央部分を本体の一部に再利用されているので
明治時代のレトロ感が漂い、鉄道模型の鉄橋みたいな可愛らしさです。
*豊海橋
中央区民有形文化財
梯子を横にしたような珍しいデザイン
日本橋川が隅田川に注ぐ河口に架かる橋で
すぐ近くの永代橋との、景観上のバランスを考慮して設計されたそう。
白い橋の内部、欄干は濃いブルーで、対比が爽やか。
ライト・アップされると、その独特のフォルムから、列車が停車しているようにも見えます。
*日本橋
国指定重要文化財
2011年に、架橋、1世紀を迎えた石造2連のアーチ橋
すべての国道の起点「日本国道路元標」
麒麟と獅子のブロンズ彫刻はガーゴイルのように洗練されていますが
雨樋としての用途はなく、繁栄と守護を表しています。