中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)で、企画展「築地小劇場とその周辺~新蔵資料を中心に~」が4月11日(土)からはじまった。日本初の新劇常設劇場「築地小劇場」にまつわる公演ポスターや舞台装置模型のほか新蔵資料群を展示している。会期は5月24日(日)まで、入場無料。
築地小劇場は大正13年(1924)、土方与志(ひじかた・よし)、小山内薫を中心に結成された。当時の「新劇運動」のなかで上演が続けられ、そこから今日につながる劇団も生まれた。昭和20年(1945)3月の東京大空襲で焼失してその幕を閉じる。跡地は築地2-11-17で、記念碑・説明板が建立されている。
展示品には小劇場の配置図や昭和戦前期を彩った公演ポスターが数多く出品されている。500席弱の客席を備えた劇場内は観客から舞台を見やすくするため、床面に傾斜が付けられていたという。今では当たり前だが、当時としては日本初の設備だったそうだ。
築地小劇場で舞台装置を担当し、戦後は映画界で活躍した田辺達の原画や衣装イメージ図など新しい収蔵資料が数多く展示されているので、舞台づくりの真髄が垣間見えてくるようだ。@巻渕彰