風薫る5月。新緑が眩い、爽やかな季節を迎えました。
浜離宮恩賜庭園の「延遼館跡」、「潮入りの池」の「お伝い橋」前、お伝い橋中程の「小の字島」各々の藤棚は、薄紫色の花色で彩られています。
この時期は、延遼館跡の藤棚を間近で見られるよう、特別に柵を外して解放しています。
フジはマメ科フジ属のつる性落葉木本。
棚仕立てで、"藤紫色" の花穂が垂れ下がって咲く様は、艶麗で、芳香があり、また、"藤波" と表現されるように、風に揺れて咲く有様も、動きのある花として、古来人気があります。
日本固有種にはノダフジとヤマフジがあり、一般にフジというとノダフジを指すようです。
<ノダフジ> 花穂は長く、つるの巻き方は(上から見て)右巻き
<ヤマフジ> 花穂は短く、つるの巻き方は(上から見て)左巻き
別名「カピタン(花美短)フジ」
花色はシンボルカラーの藤色の他に、白・桃・薄紅色などがあります。
尚「キバナフジ」と呼ばれる「キングサリ」はマメ科キングサリ属で別属。
園の職員の方の話では、園内はヤマフジが大半とのことですが、「お伝い橋」北端の藤棚には、ちょっと毛色の違う、珍しいノダフジ系の「八重黒龍藤(ヤエコクリュウフジ)」が植栽されています。
別名「牡丹藤」。
雄しべの弁化が著しく、「牡丹咲き」になる特異な品種とされています。