東京は河川の多い町です。その中でも中央区は江戸時代から水運で支えた地域なので、戦後埋め立てられて減ったというものの、河川や運河が今でもいくつも残っています。
隅田川には上り下りのクルーズが何種類か運航されており、多くの観光客で賑わっています。中央区のなじみ深いところでは、〔浜離宮庭園〕や〔明石町〕に乗り場があり、浅草やお台場方面への船が発着しています。陸上とは異なる視点で町を眺めるという観光もまた面白いものです。
春の桜、秋の雲などももちろん素敵ですが、新緑から万緑への移ろいのこの季節もまた、岸の緑を遠間に眺めて舟に揺られるのもなかなかいいですよ。
東京都公園協会が運営する「水上バス」の中で、おすすめは「川めぐり橋めぐり」です。小ぶりの愛らしい遊覧船「カワセミ」に乗って、日本橋のたもとから発着し、市中の河川や名橋を観て周るとても楽しいクルーズです。「日本橋川・神田川めぐり」は特に江戸の古い町なかを巡り、船上からその歴史や文化を確かめることのできる興味深いコースです。
この水路が江戸の町の発展を支えてきたと思うとその重要性を改めて感じることができます。
柳橋の風情を味わったり、美しいフォルムを見せる清洲橋や永代橋に見ほれたり、見どころたくさんです。神田川の方も聖橋まで遡っていきますから、ちょっとした冒険気分も味わえます。
舟から上がったら、日本橋界隈を散策しグルメやショッピングでもう一つの楽しみを味わってから帰途につくのもいいでしょう。
運航スケジュールが不定期なので事前に良く確かめてお出かけください。爽やかなこの季節に川風に吹かれて江戸の香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。