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東野圭吾「祈りの幕が下りる時」の橋を歩く④

[橘] 2015年6月16日 09:00

小説「祈りの幕が下りる時」に出てくる橋を小説中でカレンダーにメモされた月の順にご紹介していますが、今回は5月のカレンダーに書かれていた"一石橋"近辺のご紹介です。

ichikoku2.jpg
一石橋です。橋の名前の由来は、橋の北に金座頭の後藤家(五斗)、南に呉服頭の後藤家(五斗)があって、二つのゴトウ(五斗)を合わせて一石と名付けられたそうです。
現在の橋は大正11年に架け替えられ平成9年に大改修されたものですが、大正11年当時の親柱が一本だけ残されています。


ichikoku.jpg橋の袂には「まよひ子のしるべ」と記された迷子しらせ石標が残されています。
石標の左側面には「たづぬる方」と刻まれており、迷子の特徴を書いた紙を貼るようになっており、右側面には「志らする方」と刻まれており、迷子の所在に関する情報を貼るようになっています。
江戸時代には迷子が多く出たため、情報を開示する掲示板の役目をする様に、地元の町人が資金を出し合って建てたものです。
現在は東京都の指定有形文化財に指定されています。


mayoigo2.jpg
昭和24年に埋め立てられる迄は外堀川が中央区と千代田区の境を南に流れ土橋で汐留川に合流していましたが、外堀川が日本橋川から分岐していたのが、一石橋の辺りです。
埋め立てられた外堀川の上には、呉服橋の辺りにはパソナ(以前は大和証券)、新ビルを建設中の鉄鋼ビル、大丸デパート等が現在は並んでいます。鍛冶橋以南には西銀座デパート、銀座インズ等が並び、その上を高速度道路が走っています。
又、明治43年に埋め立てられた道三掘(内堀の和田倉門から外堀川を結ぶ堀)が外堀川と合流していたのもこの辺りの様です。