銀座にはお茶室のある画廊がいつくかありますが、今日は7丁目にある「古美術 桃青」を
ご紹介します。
ここは古いお茶道具や仏教美術を扱う画廊です。店の奥には「青峰庵」と名付けられた
二畳中板のお茶室があり、銀座の喧騒を忘れさせてくれる異空間が存在します。
店内の骨董品にはガラスケースに収まって美術館に展示されてもおかしくない逸品もあり、時代を超えた空気感が素人の私にも十分伝わってきました。
興味のある人、目利きできる人にとっては至福の瞬間でしょう。
ちょっとだけ身近に感じたことは、店主の冨永氏が50歳でサラリーマンを辞めてお店をひらいたということ。屋号の「桃青」は下級武士を捨て数奇の道に進んだ松尾芭蕉の雅号で、ご自身を重ねて付けたそうです。ご苦労はあったものの、日々の学びと店主のお人柄の良さで築いた人脈が、趣味と実益を兼ねた幸せな第二の人生を支えているようです。
笑顔の素敵な奥様は仕覆(お茶道具を入れる袋)のお教室を開いており、遠方からの生徒さんも大勢いらっしゃるとか。
お気に入りの茶碗や棗を手作りの仕覆で包むと愛おしさも膨らみますね。
ご夫婦ともに穏やかな本当に素敵な画廊でした。
なかなか敷居が高く一歩を踏み出せない銀座の画廊ですが、
「画廊の夜会」や「まち歩きツアー」などを利用して本物と触れ合ってみてはいかがでしょう。心惹かれる作品や素敵な店主との出会いがあるかもしれません。
挨拶や手荷物の扱いなど基本的なマナーを守って、
あなたも画廊デビューしませんか
参考図書:「恋する骨董」 冨永民雄著 日経プレミアシリーズ074