7月13日、気象庁生物季節観測情報のひとつである、「東京地方 シオカラトンボ初見」の発表。
平年より13日遅く、昨年より4日遅いとの由。
近所の佃公園でも所謂 "シオカラトンボ" を目にするようになりました。
雄雌とも未熟な時は、体は淡い褐色に黒い斑紋、複眼は薄茶色ですが、成熟度合により体や複眼の色が変化。
雄は、成熟すると黒みが増し、腹部背面が灰白色の粉で覆われ、ツートンカラーの装い。この粉を塩に見立てたのが名前の由来とされます。
複眼は深みのある青色となり、童謡「とんぼのめがね」の歌詞 "とんぼのめがねはみずいろめがね・・・" のモデルと云われています。
雌は、成熟しても体色の基調は大きくは変わらず、俗に "ムギワラトンボ" と呼ばれています。
稀に雌でも粉に覆われてシオカラ型になるものもあるようですが、複眼の色と尾部先端の形状の違いで雌雄の区別が可とされています。
池・湿地・水田・溝・水溜り・人工の水場などに広く適応し生息しています。
東京の都心部でもトンボが比較的健在であることには、いくつかの理由が考えられています。
まず、餌場となる草はらやグランドの存在。即ち公園・庭園や河川敷、野球場/サッカー場の芝といった具合に、一定程度、トンボの餌となるような小さな昆虫が飛び回っている緑地が確保されていること。
そして、羽を休める木立・草むら、産卵をする水辺の存在。
都心部で見られるトンボの多くは、比較的浅く流れの少ない水域を産卵場所に選ぶ種類とされます。
浅い水溜まり、ビオソープの池、学校の田んぼ等も産卵並びにヤゴの生息場所と考えられていますが、もうひとつ挙げられるのが "平成のため池" 学校のプール。
野生の生き物は、実はなかなか強か。
もともとあった自然環境が失なわれても、人間がつくりだしたそれに近い環境をうまく利用して世代を繋いでいるようです。