中央区には、大きな劇場が三つもあります
銀座4丁目の歌舞伎座、銀座6丁目の新橋演舞場、日本橋浜町2丁目にある明治座です
一般に、劇場で複数日にわたって同じ演目が行われた場合、「最終日」を「千秋楽(せんしゅうらく)」と言いますが、「千穐楽」と表示される場合があります
(歌舞伎座9月26日)
歌舞伎座の最終日の垂れ幕も「千穐楽」でした
「秋」ではなく、「秋」の異体字「穐」を使うのは、「秋」の文字にある「火」を忌んだためだそうです
これは、江戸時代の芝居小屋が、出火や延焼に悩まされることが多かったためであると言われています
ちなみに、「秋」「穐」の漢字の元となる甲骨文字は、下の文字で、いなごなどの虫の形と言われています
「秋になるといなごなどが大発生して穀物を食い、被害をうけるので、いなごなどの虫を火で焼き殺し、豊作を祈る儀礼をしたのであろう」(白川静『常用字解』)。
その儀礼を示す字が「龝」だそうです。この儀礼は秋の虫害に関係があるので、季節の「あき」の意味に用いられるようになったとのこと
一方、墨田区横綱1丁目の両国国技館で行われていた大相撲秋場所の千秋楽(9月27日)には、「千秋楽」の文字が使われていました
鶴竜、優勝おめでとう