三菱と言えば"丸の内"ですが、三井と言えば"室町"ですね。三越も三井系ですし、現在"コレド室町1"のある場所には東レの本社がありましたね。現在は日本橋三井タワーに本社を移しましたが,東レも三井という名前は付いていませんが三井系です。
実は私が勤めていた会社も戦前は三井本館に本社がありました、というご縁で紹介させて頂きます。
現在の三井本館は、明治35年竣工の旧三井本館が関東大震災で被災した後、三井合名理事であった團琢磨氏の主導で、耐震性の高い建造物を建てるという意向でアメリカのジェームス・スチュアート社に建築を発注したものです。竣工は昭和4年。国の重要文化財に指定されています。
意匠は「壮麗」「品位」「簡素」を旨とし、アメリカの新古典主義的なデザインにローマ風のコリント式大オーダー列柱をビルの3面に加味することに依って表現しています。
外装には花崗岩を用い、デザインには大理石をふんだんに使っています。
又、内装も豪華で階段や廊下には赤絨毯が敷かれています。
又、1階のドリス式円柱群のある吹き抜けの大空間も大変豪華です。
そして、地下には幅90cm、重さ50tの扉を備えた大金庫が設置されています。
これでは金庫破りは難しそうですね。
実はこの金庫の扉は重すぎて、日本橋の上を通ることが許可されずに、船で運ばれたという
エピソードが残っています。
現在の三井本館は竣工後90年以上経っており、團琢磨が玄関前で血盟団員に撃たれたり、
第二次世界大戦後はGHQに接収されたりと悲しい出来事も見てきています。
現在室町近辺はコレド室町が開業したり、福徳神社は立派に建て替えられる等賑わいを見せています。
これからも三井本館は室町の変遷を見守ってくれることでしょう。
(尚、内部の写真は三井住友信託銀行さんから提供頂きました)