中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)で、企画展「谷崎潤一郎と日本橋~文豪のルーツをたどる~」が10月10日(土)からはじまった。日本橋蛎殻町で生まれた谷崎は「細雪」「春琴抄」「谷崎訳源氏物語」などの作品を執筆した作家で、ことし没後50年を迎えたことから企画展を開催したもの。会期は12月13日(日)まで、月曜休館、入場無料。同館HP こちら>>
展示は2部に分かれている。第1部は「谷崎潤一郎と日本橋」で、自身の回想録「幼少時代」(昭和30年掲載)をもとに、誕生から阪本小学校、府立一中、一高、帝大と日本橋界隈で過ごした様子や町の情景を、幼少時代の文章とともに写真や絵画で紹介している。当時、谷崎が投稿した雑誌や原稿なども展示されている。
第2部は「文学作品の世界」で関東大震災後、活動拠点を関西に移し、創作に精力を注いだ。「細雪」の原稿や家族の写真などゆかりの資料が一堂に展示されている。生涯研究の集大成である「潤一郎新訳源氏物語」(昭和30年刊)の愛蔵本や装画なども見どころである。晩年の作品を彩った版画家棟方志功の装丁・装画などの貴重な資料も揃っている。
関連企画として、ギャラリートークやシンポジウムの開催が予定されている。@巻渕彰