本日(11月14日)、特派員オフ会が銀座の某居酒屋で開かれ、出席させていただきました。
その席で、出席者の女性と岩下志麻さんの話題となり、私は記憶違いで、小津安二郎監督の「秋日和」といいう作品を挙げましたが、あらためて調べると岩下志麻さんがヒロインを演じているのは「秋刀魚の味」(1962年)でした。小津監督作品は、作品ごとに格別なストーリーがあるわけではないので、題名と内容が直ぐに結びついて出てこない。
「秋刀魚の味」は、妻に先立たれた初老の父親と婚期を迎えた娘との関わりを、娘を嫁がせた父親の「老い」と「孤独」というテーマと共に描かれたものです。この作品を発表した翌年の1963年に小津監督が亡くなったため、この作品が遺作となったものです。
森永の球体宣伝塔が1ショットだけ出てくるのは、登場するバー、小料理屋が銀座界隈に存在することを示すためでしょうが、それならば、もう少し銀座の景観を写しこむべきだと思うのですが、どうでしょうか。
「秋日和」(1960年)では、原節子と司葉子さんがヒロインです。岩下志麻さんは端役で登場していますが、本作で小津に見出されて「秋刀魚の味」のヒロインに抜擢されたようです。清洲橋のカットが2回出てきます。瞬間でしかも部分ですが、全景を入れてほしかったですね。「秋刀魚の味」における銀座と同じく、場面の地理的背景を明確に写しこまないのは小津監督の主義でしょうか。私には疑問に思えます。
「秋刀魚の味」(1962年)における岩下志麻さんも美しいですが、両作品に登場する岡田茉莉子さんも若くてチャーミング。