「顔見世」が始まり新開場以来の櫓が上がった歌舞伎座にやってきました。皆様ご存じの通り「顔見世」は「歌舞伎の正月」で江戸時代はこれから一年の所属役者の披露をするビッグイベントでした。「劇場関係者はお正月と同様に初日から3日間は裃・羽織袴姿でお雑煮を祝った(江戸学辞典)」そうです。
さて今年の顔見世は「花の海老様」と呼ばれた「十一世市川團十郎五十年祭」で十一代目の当たり役のうち、昼の部は「若き日の信長」夜の部は「河内山」を孫にあたる海老蔵さんが演じます。そして話題は海老蔵さんの長男、2歳の勸玄くんの「初お目見え」です。夜の部一幕め「江戸花成田面影」で花道から海老蔵さんに手をひかれて袴姿の勸玄くんが登場するとやんやの大拍手。扇子を前に「堀越勸玄にござります」の挨拶で又、拍手。居並ぶ藤十郎、菊五郎、仁左衛門さんたち大幹部も顔色なしの人気独り占めです。数年たてば初舞台。「初お目見えの時から見ているのよ」と後々自慢したい向きは今ですよ。今月は勧進帳に松緑さんの息子の左近さん、「仙石屋敷」に仁左衛門さんの孫の千之助さんも出演しているのも話題です。夜の部は「仙石屋敷」「勧進帳」「河内山」、昼の部は「実盛物語」「若き日の信長」「御所五郎蔵」です。
千穐楽は25日、お問い合わせはチケットホン松竹0570-999-489 (10時~18時)