八丁堀の船入堀口、諸国からの船が出入りする港(=湊)にあったことから湊稲荷と呼ばれた鉄砲洲稲荷神社。
【鉄砲洲稲荷神社本殿(工事開始前に撮影)】
11月の連休過ぎから平成の大改修が始まりました。工事期間は2017年3月までで、社務所の解体撤去ならびに参集殿の新築、富士塚の改修・復元工事などが行われます。既に神社境内は白い仕切り壁で区切られ、普段は広々とした中庭には工事関係車両などが入り込んで正面入口からの出入りはできません。
【鉄砲洲稲荷神社入り口(現在の状況)】
したがってこの間、神社境内の富士塚、百度石や力石などは見ることは出来ませんが、本殿への参拝については鉄砲洲児童公園側の入口から出入りが出来るようになっており、こちらを使って行うことになります(夜間の参拝は当分できません)。
【鉄砲洲稲荷神社社務所(工事開始前に撮影)】
既に社務所は中の荷物等が運び出され、建物の解体が始まっています。この社務所は昭和12年建築の非常に趣のある木造建物でしたので、解体撤去されるのは少々残念ですが、御鎮座1180年にわたる悠久の鉄砲洲稲荷神社の歴史(承和8年(西暦841年)の創建)から見れば止むを得ないことでしょう。前述の通り、鉄砲洲稲荷神社は江戸時代には稲荷橋東詰(現在の下水道局桜橋第二ポンプ所近く)にありましたが、明治元年(1868年)に築地外国人居留地が開設されたことに伴い現在地に移転しています。
【名所江戸百景(歌川広重):鉄砲洲稲荷橋湊神社】⇒絵中央に見える水路は八丁堀(桜川)、橋は稲荷橋。
今回の改修工事により社務所は工事終了後鉄筋コンクリート(RC造)の参集殿に生まれ変わります。従来の、味のある銅板葺・入母屋造りのデザインは無くなってしまうようですが(以下、完成予想図参照)、湊地区を代表する文化財を未来に伝えていくために必要な更新ということでしょう。
【鉄砲洲稲荷神社参集殿・社務所(完成予想図)】
なお、工事はあと1年4ヶ月ほど続きますので、その間毎年1月第2日曜日に行われる「寒中禊(みそぎ)」などのイベントは例年通り行われるのかどうか心配ですが、こちらについては(未だ正式には決まっていないそうですが)隣接する鉄砲洲児童公園で行われることになりそうです。壁で囲まれた神社境内ではなく吹きっさらしの広場なのでかなり寒そうです。氏子の皆さん頑張って下さい!
【鉄砲洲稲荷神社】
所在地:〒104-0043 中央区湊1丁目6-7
電話:03-3551-2647
交通:都バス「東15」・江戸バス「南循環」鉄砲洲停留所下車目の前。中央区コミュニティサイクル「B01鉄砲洲児童公園」サイクルポートそば。