「イロハカエデ紅葉」は気象庁生物季節観測情報のひとつ。
12月4日、東京管区気象台より「東京でイロハカエデの紅葉が観測された」との報が発表されました。
平年より7日遅く、昨年より9日遅く、1993年以来の遅い観測との由。
イロハカエデの紅葉とは、イチョウ同様に、標準木全体を眺めたとき、大部分の葉が紅色系統の色になった最初の日とされます。
因みに気象庁は、大手町の気象庁構内のイロハカエデを東京に於ける標準木としています。
浜離宮恩賜庭園でも、潮入りの池(大泉水)周辺のハゼノキ・トウカエデ・ヤエザクラ共々、漸うイロハカエデが真っ赤に染まり、見頃を迎えています。
イロハカエデはカエデ科カエデ属の 所謂 "もみじ" の代表格。
別名イロハモミジ。京都の紅葉の名所の高雄に因んでタカオモミジとも呼ばれます。
園内約6,000本の樹木の内、イロハカエデは25本と聞きます。
イロハカエデは、細かく分かれた枝に、びっしりついた小型で掌状に5~7裂した繊細な葉の形状と、芽吹きから初夏・紅葉シーズンにかけ、黄緑~緑~黄~赤と多彩に移ろう色味の鮮やかさが魅力です。
中島の御茶屋、松の御茶屋をバックに、柔らかな陽光に映えたイロハカエデが、この季節ならではの大名庭園の風情を醸し出しています。
左から、イロハカエデ、ハゼノキ、トウカエデ、ヤエザクラ