銭湯に行ってきました。
冬至にゆず湯に浸かり、その状況をブログにアップしたいともくろんでいたのですが、
今年の冬至(22日)は平日で、思うに任せませんでした。
定休日が日曜・祭日なので、26日の土曜日に計画を実行。
中央区には11軒の銭湯が営業しています。
商業施設、オフイスビル、マンションが立ち並ぶ中央区の景観イメージからは遠いのですが、
想像以上に銭湯文化が残っていることに驚かされます。
その中から、「金春湯(こんぱるゆ)」を目指しました。
華の銀座にあること。創業が1863年(文久3年)、江戸時代から続いていること。
これが選びの決め手でした。
中央区銀座8-7-5。
JR新橋駅から、トートバックにタオル・洗顔用品を入れてぶらぶらと5分ほど。
博品館の面する中央通りから、一筋皇居寄りが金春通り。
通りの入り口付近に、名前の由来にもなった、「金春屋敷跡」の案内板があります。
更に、関東大震災で失われた煉瓦街の歴史を伝える、「銀座金春通り煉瓦遺構の碑」が
立てられています。
ここは、毎年8月7日に行われる路上能、「能楽金春祭り」の舞台となるところ。
話題の高級寿司店も軒を連ねる風情ある通りです。
「金春湯」の看板と大きなのれんが掛かっているので、迷わずたどり着けるでしょう。
下駄箱に靴をしまい、木製の下足札を取り出します。
壁に「平成27年度、衛生優良施設受賞店」の賞状が掲げてあります。
中央区環境衛生協会と保健所の連名。こういう事って大切な事ですよね。
男湯の標示を確認して中に入ります。
番台がありました。向う側は見えません。
大人(12歳以上)460円を払います。小学生180円。未就学児は80円。
脱衣所は天井が高く、格天井のしつらえ、大きな扇風機。
これだけでも異空間の趣です。
ロッカーは大型で、場所柄からかスーツやトレーニング用品なども収納できそう。
正面の扉を開けると、堂々とした赤富士のぺンキ絵が目に飛び込んできます。
やっぱり、銭湯と言えば、広く裾を引く富士のお山です。
髙い間仕切りの上に、お隣のペンキ絵も見えるのですが、こちらは、
海と松林を抱き、雲をたなびかせる晴れた空を背景にした富士山。
二つの異なる秀麗が楽しめます。
絵には、ナカジマとサインが書き込まれており、銭湯絵師の中島盛夫さんの
作品であることが分かります。
洗い場にはカランが16個、固定式のシャワーも16個。
こじんまりとしていますが、白を基調とした色合いで清潔感を際立たせています。
そして、紅白の鯉のタイル絵。
多くのお客さま、早く来い。恋の街、銀座。いろんな言葉が掛けられているのでしょう。
銭湯には、それぞれ受け継がれてきた利用者の流儀、暗黙の決まり事があるものです。
ここでは、各自が重ねてある桶とイスを持って洗い場で使用し、脱衣所に戻るときに
また重ねておくようです。
常に洗い場が整理され、広く使うための気配りなのでしょう。
黄色のプラスチックの桶は、ずいぶん丈夫な作りです。
底の部分に赤色で「モモテツ」。数十年前は、「ケロリン」が主流でしたよね。
あのゲームのHUDSONの広告桶でした。
リンスインシャンプーとボディソープが備え付けてありましたから、タオル1本持参で
訪れても大丈夫なようです。(タオルの販売もあります。)
さて、ロッカーの鍵は、どうするのが正解でしょうか。
右手首に掛けておくと、髪を洗う時に、カチャカチャ音がします。
足首に付けようかなと、それとなく周りに目を向けると、左手首に掛けるスタイルが
最も多いようです。
土曜日の16時30分という比較的空いている時間帯。
43.3℃の湯船に、ゆったりと浸かって、極楽気分。
ドライヤーは有料で、3分間20円でした。
本当にスーツ姿で店を出る人が数人いました。
そして締めくくりは、瓶入りの牛乳、またはコーヒー牛乳、もしくはフルーツ牛乳。
無い。取り扱っていませんでした。
入り口通路に飲料の自動販売機が並んでいます。
そこで購入して喉を潤し、縁台で汗の引きを待ちます。
隣に腰かけていたご婦人。風呂上りは、拓郎の「旅の宿」っぽくって良い感じです。
「年末年始営業のお知らせ」が、掲示されていました。
「12月31日(木) 14時~20時
1月 1日(祝) 朝湯 9時~12時
1月 2日(土) ~4日(月) お休み致します
1月 5日(火) より平常営業いたします」
(平常営業時間は、14時~22時です。)
正月は、初詣帰りに銭湯で「朝湯」というのも、素敵な年初めの行事になるかもしれません。