聖路加国際病院 トイスラー記念館
所在地 中央区明石町10(聖路加国際病院)
昭和8年(1933年)、トイスラー記念館は隅田川畔の明石町19番地に聖路加国際病院の宣教師館として建設されました。
設計者は米国人建築家のJ・V・W・バーガミニィで、施工は清水組(現在の清水建設株式会社)が行いました。建物の躯体は、昭和初期の住宅建築には珍しい鉄筋コンクリート造一部木造の二階建てで、ヨーロッパの山荘を思わせる重厚な風格のある建物でした。
平成元年に解体工事が行われ、平成10年(1998年)2月に現在地へと移築復元されました。復元にあたり、創設当時の施工技術や構造上の特徴を精密に記録し、再利用可能な部材をできる限り用いています。
外観は、外部に柱や梁を表現したハーフティンバー風の意匠です。室内はチューダー・ゴシック風のデザインで、玄関ホールやリビングなどに重厚な木の内装がみられます。
この建物は、聖路加国際病院の歴史を物語るとともに、築地居留地時代から引き継がれてきた明石町の歴史の一端を伝える貴重な文化財です。
平成18年3月 中央区教育委員会
アメリカ公使館跡石標
アメリカ公使館は安政6年(1859年)ハリスにより港区元麻布1-6、善福寺に開設されたが、明治8(1875年)12月築地の外国人居留地内のこの地に新築され、はじめて形容を整えた。 のち明治23年(1890年)3月赤坂の現在地に移転され、現在の大使館になっている。
最後の移転により、この地には8個の小松石の石標が残された。石標には、白頭鷲、星条旗、星の3種類の彫刻が施されており、白頭鷲はアメリカの国鳥であり、星条旗に彫られた13の星は同国初期の13州を示す。
8個の石標のうち3個は昭和59年(1984年)10月に日米友好のシンボルとして、赤坂のアメリカ大使館に寄贈され、現在同大使館の前庭に配置されている。残る5個の石標は、築地の居留地時代を伝えられるものとして中央区民文化財に登録されており、うち3個をここに、2個を聖路加ガーデンに設置する。
1998年5月 聖路加国際病院