国民的人気作家だった吉川英治原作の舞台化で過去数回上演されているようですが、私は今回が初めて。新聞のインターヴューで菊五郎さんが「KTOです。困った、とっても、覚えられない」と笑いをとっていましたが、今回は大幅な手直しでほとんど新作に近いとか。菊五郎さん73歳。出ずっぱりでの膨大なセリフです。
幕が開くと「長短槍試合」清洲城の城壁の修復を三日で完成させたという「三日普請」「叡山焼討」「中国大返し」とよく知られた逸話が次々と、スピーデイな場面転換で友人と「美術の人は大変だねー」菊五郎さんは「よくあの長いせりふを」愛嬌たっぷり、人たらしの秀吉になりきり。吉右衛門さんの明智光秀、梅玉さんの織田信長、菊之助さんの濃姫、左団次さんの竹中半兵衛、時蔵さんの寧子と贅沢な顔ぶれで同行の大阪の友人は「やっぱり東京はいいわね。こんなに豪華な配役なんてなかなか見られないわ」と感激したり、嘆いたり。大詰めの「清洲会議」まで観客を引き込みます。楽しめること間違いなしです。
夜の部は「ひらかな盛衰記」「籠釣瓶」「浜松風恋歌」です。
千穐楽は26日、お問い合わせはチケットホン松竹0570-999-489 (10時~18時)