家人が入院、手術したことから、連日、聖路加国際病院へ通っています。私自身も、毎年同病院付属クリニック・聖路加予防医療センター(聖路加タワー3階)で定期検診を受けているので、その清潔さ、スタッフの優秀さについては十分に認識していたつもりでしたが、家人が実際に入院し、連日見舞いに通ってみて、あらためてこの病院の素晴らしさが分かりました。
玄関にはこの病院の理念が掲げられています。
This hospital is a living organism
designed to demonstrate
in convincing terms
the transmuting power of Christian love
when applied
in relief of human suffering.
Rudolf B.Teusler(1933)
キリスト教の愛の心が
人の悩みを救うために働けば
苦しみは消えて
その人は生まれ変わったようになる
この偉大な愛の力を
だれもがすぐわかるように
計画されてできた生きた有機体がこの病院である
ルドルフ・B・トイスラー(1933)
また、「受診される皆様の権利」として、「聖路加国際病院は、当院を受診される皆様が以下の権利を有することを確認し、尊重します」とされています。
- 人間としての尊厳をもって医療を受ける権利
- 最善の医療を受ける権利
- 自らの心身の状況に関わる情報を得る権利
- 医療サービスの内容と予測される結果について説明を受ける権利
- 他の医療者の意見(セカンドオピニオン)を求める権利
- 十分な情報を得た上で、自己の自由な意思に基づいて医療を受け、あるいは拒否する権利
- 研究や教育への参加を拒否する権利
- プライバシーが保たれる権利
- 医療費とその公的援助に関する情報を受ける権利
このたびの経験から、これらの権利が尊重され、理念が実践されていることが感じとられました。
ある医療の世界に詳しい知人は、「聖路加国際病院に入院できることは本当に幸せですよ」と言っていました。東京都中央区の住民として、このような幸せを享受できることには感謝するべきでしょう。ただし、私は意気地なしだから、できればこのような"幸せ"は実地に体験しないまま、手術を受けることなど経験せずに世を去りたいものとは思いますが・・・
私事になりますが、私は関西の某公立医大に合格したことがあります。実際には、医大には入学金(当時で5万円)を払っただけで、某大学(文系)に入学・卒業したのですが(当時は、国立大学の入試は5教科7科目で、数学の試験範囲、配点が異なることを除けば文理の科目上の差はなかったし、公立医科大学は、国立Ⅰ期・Ⅱ期の前に、別日程で入試を行っていた。それだけに、競争倍率はかなり高かった)、聖路加病院で優秀な医師の姿に接し、愚かな人生を送った清貧老人という自分の現実を哀しくかみしめました。