印象的なポスターに惹かれて、銀座のポーラ ミュージアム アネックスの「玉川堂200年展」にお伺いしました。
何の予備知識もなく入ったので、どういった展示なのか、とても楽しみでした
展示室に入ると、照明を落とした空間に、星のように輝く作品たちが。
一瞬で魅了されました。
玉川堂(ぎょくせんどう)は、日本を代表する金属加工製品の産地、新潟県燕(つばめ)市で、鎚起(ついき)銅器を制作されている会社なのだそうです。
鎚起銅器は、金槌で銅を打ち起こしながら、器を作り上げていく技法で、新潟県の無形文化財にも指定されているそう。
会場では実演も拝見することができました。
銅を叩いて延ばすのではなく、叩きながら縮めたり、丸めたりして、形作っていく様子は、とても興味深いものでした。
この鎚起銅器の技法は、江戸時代後期、仙台の渡り職人によって燕に伝えられ、1816年(文化13年)に、玉川堂の祖、玉川覚兵衛によって受け継がれたのだそう。
今回の展示では、初代・玉川覚兵衛から現在の七代目・玉川基行まで、200年間をつなぐ7人の作品を拝見することができます。
作品は、オイルを張った台の上に設置されているため、鏡面反射が美しく、しっとりとした質感の印象的な展示となっています。
玉川堂は、1873年のウィーン万国博覧会をはじめ、戦前まで約30回の海外博覧会へ出品、受賞なさっているのだそう。
古き良き時代の香りと、日本の誇りが伝わってくるような、美しく見事な作品の数々です。
幾世代を超え、静謐な時を刻み続ける、美の小宇宙。
200年という記念すべき年の作品展、ぜひお出かけください。
「玉川堂200年展 」
6月4日(土)〜 6月19日(日)
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階
11:00〜20:00(入場は閉館の30分前まで)
実演などイベントの予定は、玉川堂ホームページをご覧ください。
http://www.gyokusendo.com/news/4680