紅志野で知られる加藤孝造先生の新作展が始まりました。日本橋三越では2年ぶりです。会場に入るとまず目に飛び込んでくるのはやはり「紅志野」のお茶盌。たっぷりとした大きさですが、何ともいえず柔らかくて温かさを感じます(お人柄なのでしょうか)。ずらりと並んだ「紅志野」の茶盌はほとんど売約済みのシールが貼られています(ため息)。加藤孝造先生=紅志野というイメージが強いですが、2010年に重要無形文化財保持者認定となった「瀬戸黒」もやはり抜群の存在感。「黄瀬戸」も数点あってこれも素敵。簡単に購入できる価格ではありませんが、「買えるのなら、頂けるのならこれがいい」と展覧会では勝手に密かに思っているのですが、「あれも、これも」と決められません。今回は水指、花入の外にお若い頃は画家を目指していらしたという先生の絵画や書も展示されています。
1935年生まれの先生ですが、作品からはお変わりのない若さを感じてしまいます。十数年前、機会を得て窯場にお邪魔し、雪のちらつき始めたお庭を眺めながら紅志野のお茶盌で一服いただいた時のことを懐かしく思い出しています。
「人間国宝・加藤孝造の世界展」日本橋三越本店6階美術特選画廊14日(火)まで。最終日は17時閉場
●百貨店建築としてこの度重要文化財に認定された日本橋三越では「店内ツアー」を実施しています。
第2土曜日 11:30と14:30の2回 前日までに電話3241-3311(大代表)か店内受付に申し込む。