先日、中央区民カレッジ老舗めぐりの講座で、日本橋小舟町にある江戸小紋の老舗「竺仙」にお伺いしました。
ご説明くださったのは、
5代目当主の小川文男さんです。
竺仙は、1842年(天保13年)歌舞伎江戸三座が浅草猿若町に移転した同年、同地に創業されました。174年もの間脈々と手彫りの型紙で一反ごとに手染めをする「型染め」をつづけられています。
その染めは、明治34年の東京名物志にも取り上げられ、浴衣から江戸小紋へと名を馳せ
戦後、有名百貨店や高級呉服店からのお声がかかり日本橋に移転されました。
竺仙のこだわりは「江戸」との信念から、初代からの技術と色合いを継承されて、江戸の持ち味を今に伝えられています。
「型紙があってこその商売。何があっても一番に型紙を守るように」との教えから
関東大震災・東京大空襲の難を逃れられたとのことです。
二反の浴衣をご披露くださいました。
燕と鴎
江戸の人々が自然を愛でながら、それらを日々の生活の中で豊かに楽しんだ心模様が鮮やかに蘇ります。
江戸の人たちが好んだ大胆にあらわされた鳥のデザイン。
今にも21世紀の空を飛び回りそうです。
4月より特派員ブログで中央区で出会う野鳥をご紹介する回数が増えるにつれて、
江戸からの時空を越えて変わらない風物は野鳥ではないかしらと思うようになっていました。
みなさんは、どうお感じになりますか?
代々受け継ぐ型の中に、ほかの野鳥としては「鶴・雀・千鳥・鷹」があるそうです。
私たちも、平成の自然を愛でる余裕を持ちたいものですね。
小川さんのお見立てによると、鴎の反物は40代の方に、燕の反物は60代の方に似合うとのことでした。
日本浴衣・小紋 竺仙 東京都中央区日本橋小舟町2番3号