『ギフト、そして自分も楽しむ』をエッセンスとして取材します、rosemary seaです。
本日はこぎん刺し木曜会株式会社 人形町教室にお伺いして、主宰のこぎん刺し作家・講師の髙木 裕子(たかぎ ひろこ)先生にお話しいただきました。
最初にこぎん刺し(こぎんざし)の説明。
↑ 髙木先生。後ろには作品の半纏等。
藍(紺)の布地に白い木綿糸で独特の幾何学模様を刺しあげていく、青森県津軽地方で生まれた伝統の技、民芸刺繍、伝統工芸。他の刺し子との違いは、縦の織り目に対して奇数の目を数えて刺すこと。
1724年(享保9年)、「農家倹約分限令」により農民の仕事着に厳しい規制がされました。木綿地の着物の禁止、北国の寒い地域なのに許されていたのは麻の着物。裏地をつけることもダメ。
そこで津軽の女性は考えました。
麻の着物の肩や背中、腕の部分に細かく刺繍を施しました。刺繍をすることで生地を厚くし保温効果を高め丈夫にし、更に美的にも進化させるという逆転の発想。
これがこぎん刺しのルーツです。
津軽地方では野良着のことをこぎん(小布、小巾とも)と呼んだため、この名がつきました。
伝統を守るとともに、新しいデザイン、カラフルな染め糸でアレンジした現代創作こぎん刺しも盛んです。こちらの教室の得意とするところです。
① こぎん刺しとの出会いについて
「たまたまお友達と十和田湖へ行って泊まったホテルのなかに小さなこぎん刺しがあったのです。それを見ておかみさんに『これ、何ですか?』って聞いたらこぎん刺しだった、『じゃ、これ、どこでやってますか?』って聞いたら、青森では今やっているひとはいませんって言われました。収集しているひとなら青森市内にいますよと教えられ、そのひとを紹介していただいたのですが、そのひとが民族学者の田中 忠三郎さんです。もう亡くなったのですけどね。そのかたのところへ飛び込んでこぎん刺しの話をしたら、『え、東京のひとがねー、やってみるかい?』って言って、小さな切れ端をいただいて、それがはじめ。」
② NHK文化センター講師となられたときのお話
「NHKに知り合いがいまして、そのひとに『やってみたら?』って言われて。それと週休二日制で土曜日曜と退屈して暇だったので、それでよかったらって言って入ったのが土曜日だったのです。」
「会長さんと知り合いでした。それで一般の会社勤めの仕事を定年で辞めたときに参加しましょうっていうことで・・・、今は副理事長をしています。」
④ 人形町教室について
「4年前からです。それまでは人形町の自宅で教室を開いていました。ビルのオーナーの『とうふの双葉さん』と知り合いでしたので。ほかにも関東一円や神戸、名古屋、静岡に10教室あります。」
⑤ 自己の作品について
↑ 東海道五十三次・日本橋
「私自身は今は注文がきたらそれをこなしています。このような半纏(はんてん)で、図案から糸染めから全部、それまで計算すると1年という時間が必要です。各教室も回っていますので、自分で刺している時間がなかなかありません。やりかけの仕事も詰まっています。本当は東海道五十三次をメインにしたいのですが。図案としてやりやすいところからやっています。・・・オーソドックスなものから、五十三次のような絵画的なものまで、作品は幅広くなっています。」
・・・続きは次回に繰り越させていただきます。
日本橋人形町2-4-9人形町双葉ビル5階
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こぎん刺し木曜会さんのホームページはこちら ⇒ http://www.koginsashi.jp