中央区観光協会オフィシャルブログ

中央区観光協会特派員ブログ

中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

執筆者一覧

>>このブログについて

最近のブログ記事

「秀山祭」九月大歌舞伎始まるー歌舞伎座

[滅紫] 2016年9月 5日 09:00

100_2082.JPG 100_2083.JPG

九月に入りましたが気まぐれ台風のせいか厳しい残暑です。1日「秀山祭」九月歌舞伎が幕を開けました。幹部役者の奥様達が勢ぞろいの入り口から一足踏み入れると満員の客席です。着物姿の方が多いのもやはり初日の感がします。

 

「秀山祭」はご存知のように初代吉右衛門を顕彰するために生誕120年にあたる平成18年に歌舞伎座で始まり、今年で10年目になります。座頭を勤める当代の吉右衛門さんが吉右衛門を襲名してから50年!になるそうです。

 

夜の部は「妹背山婦女庭訓」の「吉野川」、よく知られた名作ですが、通しはなかなかなく上演されるのはこの「山の段」といわれる「吉野川」と「道行恋の苧環」「御殿」です。ストーリーはよくご存知の通り、日本版ロミオとジュリエット、大化の改新を背景に吉野川を隔てた敵同士の男女の悲恋を描いたもの。大判事清澄を吉右衛門さん、息子、久我之助を染五郎さん、太宰定高を玉三郎さん、娘、雛鳥を菊之助さんと豪華な組み合わせ。舞台中央には吉野川、両花道から二人が登場し(玉三郎さんの大和国の領主の後室そのものという凛とした姿にしばし見とれ)川を挟んだ両岸からせりふの応酬が始まると、客席は設定通りの吉野川の急流の中。時期は雛の節句、桜の吉野、子を失う親の悲しみ、雛鳥の首が吉野川の急流を渡って久我之助の下へ嫁入りする「雛渡し」という有名な場面になると私もウルウル、周りを見渡すと目頭を押さえる人があちこちで。2時間近い緊迫した舞台を堪能しました。

 

其のあとは一転らくごに題材を採った「らくだ」。松緑さんと染五郎さん、大家夫婦が歌六さんと7月に人間国宝認定の東蔵さん。松緑さんとの掛け合いで染五郎さんがアドリブで「山の段はもういいです」といって客席の笑いを取っています。最後が「元禄花見踊」玉三郎さんが艶やかで「らくだ」で死人になっていた(疲れそうです)亀寿さんがのびのび楽しそうに踊っていました。そういえば夜の部人間国宝お三方出演です。

 

昼の部は「碁盤太平記」「太刀盗人」「一條大蔵譚」です。

千穐楽は25日。チケットのお問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489 10時~18時