8月の終わり、晴海に世界最大級の帆船が寄港しているということを知り、27日(土)に見に行ってきました。
小雨混じりの残念な天候であるにも関わらず、船の内部が一般公開されるとあって結構な人手。「帆船」の内部を見るのは初めてということもありとても楽しみでした。
この船は南アメリカのチリ海軍の練習船で、名前は「エスメラルダ」。エメラルドという意味らしいですが、その優麗な姿から「白い貴婦人」とも呼ばれているそうです。
帆船なので、やっぱり背の高いマストが印象的。この船には4本のマストがあり、高さは49メートルもあります。
特徴としては、一番前のフォアマストだけ横帆を張るための横棒がついていて、あとの3本は縦帆なので横棒がついていないところ。日本丸や海王丸とは違うところです。
甲板に上がってみました。所々にロープが横たわっているのが帆船らしいところ。床は木でできています。甲板の船首の方は、それなりの傾斜もありました。実際に甲板に上がってみないとわからないところですね。
甲板の後ろの方には、触ると壊れてしまいそうな感じにも見える操舵輪。手前のベルは船鐘です。
この船での使われ方はよくわかりませんが、操舵輪が甲板の後ろにあるのは、帆に当たる風を見て舵をとるからだそうです。
また船鐘は、船上に時刻を知らせたり、警鐘として使われたりする、船の意志を伝えるものです。もし船に魂があるとしたら、この船鐘に宿るのだとか・・・
その甲板からさらに階段を上ったところにある「ブリッジ」。中を見てみたいなぁ、とジロジロ覗きこんでいたら、中に入れてくれました。
それほど広くはない空間ですが、一番感動したのは木の古い質感というか、木のぬくもり感。
この船は1954年に就役という、60年以上の船。何だかこの船の歴史みたいなものが感じられて、とてもいいものを見させてもらいました。
若者が多くみられたこの船。チリ国人だけでなく日本人も含めた様々な国の男女300人以上が乗り込んでいるそうです。
6月にチリ国を出港、7ヶ月間かけて練習航海をしながら親善を兼ねて使節団的に世界各国を周っています。今回の東京への寄港は9年ぶり。
チリ国に帰国するのは来年正月明けのスケジュール。長い航海ですね。次は韓国だそうです。
帆を張るのは風の安定する外海で行われるのでしょうが、青い空の下で白い帆を張って進むこの船をいつか見てみたいものだなぁと思いました。