「築地ワンダーランド」という
(中央区大好き人間にとっては見逃せない?)
映画を見てきたので、レポートしたいと思います。
今回は、ポスターの写真以外、
文章ばっかりです。
10/1から東劇で先行公開されてましたが、10/15からは全国で公開です。
また、海外の映画祭(複数)にも
出品されるそうです。
○概要
東京都中央卸売市場築地市場自体は青果部と水産物部からなりますが、映画は水産物部に焦点をあてたドキュメンタリーです。
ただ、映像はとても美しく、出てくる人が日々の生活を自然体で営む姿は、
迫力のあるドラマのようでもありました。
映画を通して、「築地ブランド」、あるいは世界の「TSUKIIJI」が何を意味するのか、なぜブランドになるのかが実感できました。
○映画の見どころ
・あえて主人公を挙げるならば、「仲卸しの人々」でしょうか。
目利きとしてのプロの姿が生き生きと描かれています。築地には世界中から魚(魚介類)が毎日、大量に集まってきます。同じ魚でも、日々違う顔をもっています。
そんな魚たちを、卸売りからセリを通して仕入れ、適切に処理をしてプロの料理人をはじめ、築地に買い出しに来る人々に売るという「橋渡し」が彼らの役目です。
そこには、瞬時に魚の良し悪しを見極める高度な目利きの力と、品質を落とさずに処理する、これまた高度な技が介在します。
築地に食材を買い出しにくる人々にとって、仲卸はなくてはならない存在で、
映画の中ではそんな仲卸と卸売り(築地に食材を持ち込む側)、あるいは仲卸と買い出し人の人間的な付き合いがしっかりと描かれています。
例えば、料理の鉄人の道場六三郎さんや、名だたるミシュラン掲載店や老舗料理店の料理人・職人といった料理のプロも、築地を訪れて仲卸さんに食材の相談をします。
ここで、料理のプロは仲卸を信頼し、仲卸はその信頼に答えようとし、そこに築地のユニークな信頼に基づくビジネスが出来上がっています。
この信頼ビジネスが80年の築地の歴史で培われた伝統であり、築地をTSUKIJIたらしめる最大の要因であり、魅力として描かれています。
・食文化、建築的価値、歴史といった観点でも、解説があったり、
著名な方々のコメントもあり、築地市場をいろんな観点から理解できます。
・それから、料理のプロが仲卸に相談する話を書きましたが、
仕入れた食材をどのように料理するかという「買った後」も美しい映像で楽しむことができます。
登場するお店も、「ああ、あの店だ」という感じで見ることができます。
中央区の店に限って名前を挙げると、ろくさん亭(銀座)、小十(銀座)、
ESQUISSE(エスキス:銀座)、すきやばし次郎(銀座)、
㐂寿司(きずし:人形町)が出てきます(どこも有名店ですね)。
(中央区以外の有名店ももちろんでてますよ。因みに。)
○特派員視点ではこうなる?
・この映画は、築地という文化を記録するという意味でとても重要だと思いますが、
美味しいものが集まる東京(特に中央区)でグルメを楽しみたいという方にはお勧めではないでしょうか。
レストランで食事をするときに、産地やブランドが気になるとおもいますが、そこに、「築地ブランド」というワードをより強く意識するようになり、食事がさらに楽しくなる気がします。
・「姉妹編」とか移転後の「その後の築地ワンダーランド」みたいな感じで、
場外と築地3丁目/6丁目/7丁目/明石町(裏築地なんて言われてますかね)を取り上げたものがあると、個人的には絶対見ますけどね。
このあたりも、市場と関係の深い生活や文化があるし、建築物、歴史という点でもすごく貴重なものが多いので、特派員にとっては築地ワンダーランド=場内+場外+(築地3丁目/6丁目/7丁目/明石町)