先日、特派員rosemary seaさんのブログ記事で、榮太樓總本鋪さんの和菓子教室開催を知りました。ケーキは作れても、和菓子となると材料もなかなかわからない私は、早速、申し込みさせていただきました。
当日は日本橋のたもと本店の喫茶室で、20人ばかりの方々とご一緒にご指導いただきました。本店の明るく広々とした空間と、どこか凛とした空気の流れる中で、日本の良き伝統を知れる経験は本当にまたとないものです。
3種類の生菓子を作りました。和菓子の数ある中でも、生菓子は季節、季節の移り行く自然を描写するもの。日本人ならではの感性と繊細な技術が、小さなお菓子に溢れんばかりです。
一つ目は、さざんか。
「花の少ない晩秋から初冬にかけて咲きだす山茶花の咲き誇る寸前の様子を表現しました」とのこと。
二つ目は、紅重ね。
「秋も深まり遠景の山の落葉樹も赤、黄、褐色に葉の色を変えている様を紅重ねとして表現しました」とのこと。
三つ目は、実り。
「錦玉を塗り本紅色羊羹、黄色羊羹でグラデーションを作り紅葉の型で抜き飾りました」とのこと。
若い女性の職人の方の細い指からは、あっという間に繊細な花びらや紅葉が作り出されていきますが、私たちは片寄ったり崩れたり。でも1時間後には、秋の風情が詰まった三つの生菓子が出来上がりました。
和菓子は五穀つまり、あわ、ひえ、米、小豆、きびの数少ない材料と、伝統を守ることも相まって作り出すもの、、そこに苦労があるとの貴重なお話しも伺いました。
これからは今日の体験を思い出し、伝統を守りながら手から作り出される造形美の極み生菓子を愛でながら、一口、一口いただきたいと思います。