摂津の国、西成郡佃村の漁師達が隅田川の鉄砲洲東の干潟百間四方を埋め立てて佃に住み着き、江戸城にお魚を納め、その余剰分は日本橋の魚市場で販売する許可を得て、また余剰の魚を漁師の保存食として発展したのが、「佃煮」ですね。当初は、塩水で煮込む製造方法から、下総の国の野田から醤油が入ってくるようになり、醤油煮に進化しました。
そんな歴史のある佃島の佃煮。 ついこの間までは、佃には佃煮屋さんは、「本家佃煮 田中屋」、「元祖佃煮 天安」、「安政六年創業のつくだに 丸久」の三店だけだと思っていました。この三店の佃煮、それぞれ違いがあって大好きです。 そんな私に、友が貴重な情報を寄せてくれました。
「先日、佃を散歩していたら、地元の人に勧められたのだけど、丸久さんに向かって右側の路地を入った所に、新しい佃煮屋さんがあるよ!」との情報です。
早速、お店にお伺いし、お店の創業と他のお店との "違い" を調査して来ました。
お店は、戦後から佃煮を製造しており、主に小売店や旅館に直接納品していて、70年以上の歴史があります。
現在、お店は御主人の小林信男さんから息子さんの良裕さんに代替わりして、4代目とのことです。
小売りのお店を構えたのは3年前だが、看板を路地の入口に見えるように置いたのは1年前ぐらいとのことです。 ずっと、地元の方のご愛顧が多いそうです。
製品は、防腐剤を使用していないので、冷蔵庫で3週間ほどの賞味期間だそうです。
他の3店との違いは、1、2品このお店だけの製品があるそうです。
ちょっと、ショー・ウインドウの中を拝見しました。
お店の中は、清潔に、整理整頓されて商品が陳列されています。
個別の商品群、お手頃な値段の物もあります。
というわけで、「角切り昆布」、「たらのスリミに醤油と砂糖を合わせて製造した田部(でんぶ)」を購入してきました。この二品、1千円でお釣りを頂きました。
早速、朝ご飯に食べましたが、「これぞ、佃煮!」という角切り昆布。
ちょっと甘めの田部(でんぶ)は、孫の好みみたいです。
御主人の小林信男さんから大変気さくにお話を頂けました。 だから地元のファンが多いのですね。
お店の住所は、中央区佃1-2-1. 電話:03-3531-7578 です。
www.tsukushin.jp 他の三店も、同様に、ご愛顧下さい。