先月10月に開催された中央区観光協会のわくわくツアーの初ガイドで、奥野ビルを案内させていただきました。
案内は、以下のように。そして、事前にエントランスに入らせていただく許可を取っていましたので、当日は皆さんに
ビル内部の昭和のレトロな雰囲気を感じていただけました。
(案内内容)
奥野ビルは、昭和7(1932)年に建てられ、「銀座アパートメント」と呼ばれた銀座界隈でも屈指の高級アパートでした。また、日本初のエレベーターを備えた民間の住居用ビルで、当時、同潤会に所属していた川元良一さんが設計しています。
同潤会は、関東大震災で多くの建物が火災で燃えたことから、コンクリート造りで、当時の最先端の電気、都市ガス、水道、水洗式トイレ、ダストシュートなどを取り入れたアパートを東京、横浜に16か所建てた団体です。同潤会アパートの一つ青山アパートメントが2003年に解体され、表参道ヒルズになったことは、ニュースでよく取り上げられていたので記憶に残っています。
同潤会アパートメントとして現存する建物がなくなってしまった今、同潤会の川元良一さんが設計した奥野ビルは、その様式を残すビルとしても貴重な存在ではないでしょうか。
また、銀座に残る昭和初期のビルの一つ竹田ビルが、解体されホテルになろうとしている現状を見ると、益々その希少性が増しています。銀座に残る昭和初期のビルは、8棟になりました。
(以上です)
そして先日は、奥野ビル初見学の友人を案内しながら、じっくりとギャラリーを見て回りました。
6階にあるGalerie La ギャラリー ラーで伊藤亮さんの個展に出会いました。
伊藤亮個展
「屈折する星くず」
伊藤さんは、岐阜県中津川市在住のアニメ出身の画家です。精密画を得意として、苦痛と苦悩を表現しています。
「生きてやる」
「生きてやる」のアップ
こちらの作品は、完成までに5年を要したそうです。
苦悩と苦痛がテーマの伊藤さんの作品ですが、その先には光、強いエネルギーがあるように感じられました。
奥野ビルの各階のギャラリーでは、他にもフランスの刺繍だったり、写真の初個展だったり、新しい創造の世界が展開されていました。友人とあっという間の濃密な2時間を過ごしました。
どうぞ皆さんも、手動式エレベーターに乗って、各ギャラリーに起こしください。