12月の話題は何といっても玉三郎さんと若手花形の勘九郎、七之助、梅枝、児太郎の4人が共演の「京鹿子娘五人道成寺」。玉三郎さんが菊之助さんと二人で踊った「二人道成寺」も人気でしたが、通常は一人で踊る道成寺を今回は5人で踊り分ける特別版。何とも華やかですが驚嘆するのは玉三郎さんの若さと美しさ。20-30代の若手と同年齢かややもすると若くさえ見えるというのは凄いです。しかも幕間前には「二人椀久」を踊ったばかり。踊りの上手さはいうまでもありませんが、この驚異的な若さはどこからくるのでしょう!(花道傍でしっかり眺めましたが小じわも見えません)
隣席の方は玉三郎さんの大ファンらしくただただ幸せそうなため息ををついていらっしゃいました。撒き手ぬぐいがとれなくて残念そう。でもこの方、花道で七之助さんが使った紅付きの懐紙を手に入れたのです。江戸時代から贔屓役者のこの「紅付き懐紙」は奪い合いだったようです。
今月の京都の顔見世(先斗町歌舞練場)ではやはり三部で雀右衛門さんの「押し戻し」つきの「娘道成寺」がかかっています。東西共に華やかな幕切れですね。そういえば児太郎さんは国立劇場で「仮名手本忠臣蔵」の八・九段目の小浪に出演しているので掛け持ちです。国立が4時に終わって歌舞伎座6時半の開場(出番はもう少しあと)なので何とか間に合うのでしょうが流石こちらも若さですね。国立は3ヶ月連続の仮名手本忠臣蔵通し公演で今月は珍しい、本当に珍しい十段目の「天川屋義平内の場」をやっています。戦後数えるほどしか上演されていないものです。「天川屋義平は男でござる」というセリフが死語にならないように時々は上演してもらいたいものですね。
「道成寺」上演の際に合わせて和歌山県日高川町の「雲水つりがねまんじゅう」が登場しています。6個入り800円です。
歌舞伎座12月公演は3部制で1部は新作歌舞伎「あらしのよるに」2部は「吹雪峠」「寺子屋」です。1年の締めくくりを歌舞伎座でお楽しみになりませんか。
千穐楽は26日です。
お問い合わせはチケットホン松竹 0570-000-489(10時~18時)