11月30日、東京管区気象台より気象庁生物季節観測情報のひとつ「イロハカエデ紅葉」が報じられました。
平年より3日遅く、昨年より4日早い由。
"もみじ" と云えば本種を指す程、紅葉の代表格。
いよいよ紅葉の真打ち登場です。
錦秋の世界を愛でる「紅葉狩り」は、「観楓(かんぷう)」「紅葉見(もみじみ)」とも称され、花見と並んで昔から日本人が親しんでいる季節のイベント。
浜離宮恩賜庭園内の約6,000本の樹木の内、イロハカエデは25本を数えると聞きます。
細かく分かれた枝にびっしりと付く、掌状に5~7裂した小さく繊細な葉の形状と、芽吹きから初夏・紅葉シーズンにかけ、黄緑~緑~黄~赤と多彩に移ろう色味の鮮やかさが大きな魅力。
紅葉した葉の裏側から太陽の光を透かして見ると、鮮やかさが一層際立ちます。
中島の御茶屋、松の御茶屋、燕の御茶屋を背景に、柔らかな陽光に映え、この時期ならではの大名庭園の風情を醸し出しています。
植物分類に関して、従来は、花や葉を基準に、類縁関係をベースにしたマクロ形態的な分類体系が採用され、カエデの仲間(カエデ属)はカエデ科とされていましたが、ミクロなゲノム解析から実証的に分類体系を構築する新しい分類方法APGではムクロジ科に統合されています。