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「白木屋傳兵衛」 箒に見る江戸の粋

[コットン] 2017年1月23日 09:00

「白木屋傳兵衛」は江戸時代後期からほうきをつくり続けてきた「江戸箒」老舗です。

店名板pixel200.jpg   P119096_pixel200.jpg

京橋中央通りから現在工事中の警察博物館とLIXIL:GINZAの間の道を進んだ左手にある

お店の中には美しいほうきがずらり。そんな「白木屋傳兵衛」の七代目社長 中村悟さん

にお話を伺いました。

 

コットン白木屋」(しらきや)という屋号は名水白木屋などでも耳にした記憶があります

       何か関係はありますか?

中村社長:特に関係はありません。白木(しらき)には上等なものという意味があり、

        江戸時代にはよく屋号に使われていたようです。

:確かにこちらのお店のほうきには、芸術作品に近い美しさがありますね。

 

  「江戸箒」ホウキモロコシから作られているそうですが、関西でよく使われいるシュロ

  ほうきとはどう違うのですか?

 ホウキモロコシ           シュロ                

江戸箒pixel200.jpg    シュロ白木屋pixel200.jpg 

シュロほうきは買ってから1年位は樹脂が茶色い粉となって出るという欠点があるの

  です。 関西ではシュロほうきを板の間で1~2年使い込んでから畳に下ろすといった

  時間的に緩やかな使い方ができました。

  しかし、江戸では畳が急速に普及したことに加え、火事も多かったのでゆっくりと時間を

  かけて使うシュロほうきは適さなかったのです。

:なるほど。ホウキモロコシほうきは江戸っ子の暮らしに最適だったのですね。

 

ホウキモロコシほうきは現代の暮らしの中でも十分活躍しています。

  柔らかく弾力のある草はカーペットの中のホコリをかき出すことが出来ます。

箒返り4pixel180.jpg

:でも掃くとホコリが舞い上がるのではありませんか?

:掃き方が大切なのです。ほうきを持ったら外側から内側に自分の前に集める

 ように掃きます。この時自分の前でほうきを止めるのがコツです。

 そうすればホコリは舞い上がりません。

 

ほうきの先が斜めにカットされている物と、真っすぐな物がありますが、

  この違いはなぜですか?

斜めにカットされている物は片手用真っすぐな物は両手用です。

 片手用             両手用

箒片手pixel200.jpg    箒両手pixel200.jpg

ほうきに付いている紐の色には何か決まりがあるのですか?

紐の色はグレードを表しています。良いほうきは7~10年くらい保ちますが、

  次に買い替える時には紐の色を言っていただけば同じ弾力軽さの商品を買うことが

  出来るのです。

 
:実際に「江戸箒」で掃いてみたいのですが?

:どうぞ。違いがわかると思いますよ。

箒あなpixel200.jpg   箒編み込みpixel200.jpg

:確かに違いますね。同じ「江戸箒」でも穴の開いている方が断然軽いです

:火事の多い江戸の町で、江戸っ子はいつなくなるかもしれない「江戸箒」に驚くほど

  手間暇をかけて作っていました。はかない物にお金を掛けることをとしていた

  のです。

「江戸箒」は江戸っ子の粋から生まれた産物なのですね。

 

        

「江戸箒(ほうき)老舗」 白木屋傳兵衛

東京都中央区京橋3-9-8 白伝ビル1F

TEL 03(3563)1771 FAX 03(3562)5516

地図pixel400.jpg