立春目前ながら、まだまだ寒さ厳しい候。
この時期、浜離宮恩賜庭園内の花数はまだまだ限られますが、澄み切った柔らかい陽射しのもと、凛として咲く花のひとつがスイセン(ニホンズイセン)です。
スイセンはヒガンバナ科の多年草。
通常単にスイセンと云えば、「ニホンズイセ
ン」を指すことが多いですが、他の種や園芸品種を含むスイセン属の総称としても使われます。
ニホンズイセンはフサザキスイセン(房咲水
仙)の変種とされ、原産地の地中海地方からシルクロード、中国を経て渡来し、野生化したものとされます。
根際から生える葉は平たい線形。
外側の花被片は白、真ん中にある副花冠と呼ばれる筒状の部分は黄色のカップ型で、小輪で房咲き。
透明感のある清楚な甘さの中に、爽やかなフローラルグリーンの香りが特徴とされ、香気成分としては、シンナミックアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、オイゲノールなどが報告されています。
冬の寒さを包み込む静かで穏やかな香りです。