中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)で、企画展「江戸の装いと出土遺物」が2月4日(土)からはじまった。中央区内各所の遺跡から出土した江戸期のかんざし類、煙管雁首、下駄などを錦絵などとともに展示している。会期は3月20日(月・祝)まで、月曜休館、入場無料。同館HP こちら>>
これまでの発掘現場は日本橋二丁目、人形町、八丁堀、明石町など各所にわたっている。今回の特徴は区内各所からの遺物を出土品種別に展示していることで、同種の形態などを比較できる。
テーマは「装い」。男女を問わず、頭の先から足元までの道具、装飾品、嗜好品、履物を展示している。鏡、かんざし類では銅製、ガラス製などがあり、細かい装飾が施されたものもある。
化粧道具には大小多種の紅皿、お歯黒用品などが揃っている。段重(だんじゅう)と呼ばれる2、3段重ねの瀬戸物容器には化粧品などを入れたようだ。
傘の骨組みの出土品も展示されている。竹製のようだ、柄と骨部が形を残している。小柄(こづか)と呼ばれる小刀の柄の部分には装飾を凝らしたものがあり、ペーパーナイフのように使ったのであろうか、詳しくは不明という。
煙管の雁首(がんくび)と吸口も多数展示されている。江戸期は喫煙率が高かったようで、ほとんどが真鍮製で大きさも各種あったことがうかがえる。銅製で幅4cm・高さ3cmほどの小物入れも珍しいという。用途は分からないが、丁番の蓋も付いたミニチュアサイズである。
足元では下駄が数多く展示されている。男女用・子ども用などのほか形態の違いなども見ることができる。これらの展示物から、主に江戸町人の暮らしぶりや装いを感じ取ることができる企画展である。@巻渕彰