「水取りや瀬々のぬるみも此日より」と云われる奈良東大寺二月堂の修二会(お水取り)。このお水取りの行法が過ぎると古都奈良にも春が来ると云われています。東大寺のご開山良弁僧正の高弟実忠和尚が天平勝寶四年(752)より始め、一度も絶えることなく守り続けられている行事です。日本橋の奈良まほろば館でこの期間中(旧暦2月である3月1日より15日まで)のみ販売されているこのお菓子を見つけました。期間中須弥壇の四隅を飾る椿の造花を象ったお菓子、春を呼ぶお菓子です。
今は二十四節気の啓蟄に入ったところで、七十二候では桃始笑(ももはじめてさく)。春の訪れが目に見えて感じられるころ。このお菓子で天平の昔に思いをはせて一服されるのは如何でしょう?
奈良では菓子舗によって少しずつ違うものが販売されているようです。たまたま奈良の友人から届いた「糊こぼし」(良弁椿)もご覧ください。歌舞伎にも「二月堂良弁杉由来」がありますね。
奈良まほろば館日本橋室町1-6-2 日本橋室町162ビル TEL 3516-3933
10;30~19:00
「南無観椿」2個入り864円 3月1日から15日の間、入荷が少ないので予約された方が安心。