遅まきながら、昨年出て話題になった本「家康、江戸を建てる」(祥伝社)を読みました
作者は、門井 慶喜氏。ミステリーから歴史小説まで、幅広い作風の小説家です
豊臣秀吉により、関東に転封された徳川家康が、さびれた荒れ野や湿地帯だった当時の江戸を世界一の大都市に作り上げていく過程で、功績のあった人々の話が大変おもしろくまとめられています
当然のことながら、中央区にかかわるところもいくつもあり、日本橋川に架かる「一石橋」(五斗と五斗で一石)の名前の由来とも伝わる幕府金座御用の後藤(五斗)庄三郎による慶長小判鋳造の、金座、銀座にかかわる話などは、まさに中央区で起こっていた話です
当時は東京湾に注いでいた利根川の付け替え、神田上水の引き込み、江戸城石垣のための伊豆の石切り、江戸城天守閣建築の話など、「プロジェクトX」や「ブラタモリ」的な目線が新鮮でした
何代にもわたって、江戸の大規模なインフラ整備に尽力する文官、技術者の家柄の話は非常に興味深く、一気に読んでしまいました
お勧めです