銀座6丁目のGINZA SIX(ギンザシックス)の地下3階にある、観世能楽堂。
皆さまはもういらっしゃいましたか?
わたしは7月8・9日に無料公開イベントが開催された際、初めてお伺いしました
広いホール内に入った瞬間、正面に佇む能楽堂の美しさにただただ感動でした。
「能楽堂へ行ってみよう!」と題されたこのイベントは、両日の午後1時・3時・5時からの開催で、各回は15分間。
短時間の開催で入場無料という気軽に参加できるイベントだったこともあり、観光客の方やお買い物途中の方などもご来場され、たくさんの観客で賑わっていました。
内容は、能楽師の方による能の解説と仕舞(能の一節を装束を付けずに舞うこと)の実演でした。
上と下の写真は「高砂」を舞っていらっしゃるところ。
家族円満、恋愛成就の意味合いを持つ、大変おめでたい演目なのだそうです
仕舞の実演のほか、時折ユーモアも交えてわかりやすく解説をしてくださったのは、観世流能楽師の山階彌右衛門さん。
「ゆったりした中で品格を見せていくのが能」なのだそう。
観ているこちらも背筋が伸び、敬虔な気持ちになるような能の動き。
とても美しく、茶道や武道にも通じる日本独特の高い精神性が伝わってくるようでした。
そして、能のすり足の姿勢は背筋をまっすぐに保つので、能の舞を習うと姿勢が良くなるのだそうです
また、能楽堂に描かれている松は神様を表すもので、年に2回神主さんにお越しいただいて、神事を行っていただいているのだそうです。
能舞台が神社のように神聖に感じられる理由がわかったように思いました。
仕舞の間には、面(オモテ)の解説も。
能面のことは「オモテ」、役者の顔は「ウラ」と呼ばれるのだそう。
面をわずかに上に向けるのは、喜びを表す「テラス」、下に向けるのは、悲しみを表す「クモル」。
ほんの少しの動きで繊細な感情を表現できる面は、まるでそれ自体が人格を持っているような、確かな存在感を放っていました。
観客席まで面をご紹介に来てくださっているところ。
まるで平安時代のお姫様がやってきたようでした
最後に舞ってくださったのは、「羽衣」というおめでたい舞。
イベントの中で寿ぎの舞を2つも見せていただいて、とても有難い気持ちになりました。
ありがとうございました
こういった無料開放イベントは初の試みだったそうで、次回はまだ未定とのことですが、今後も能楽堂のスケジュールが空いている時に開催される予定なのだそうです。
ご興味ある方はぜひ観世能楽堂のホームページをこまめにチェックなさってみてくださいね。
そして、8月22日には、観世能楽堂夏休み特別企画「はじめて能」が開催されます
上演の合間に解説を加えながらの「ダイジェスト能」や「謡体験」といった内容で、はじめて能に触れる方にも楽しんでいただける演目となっています。
日時:8月22日(火)
昼の部 14:00開演/夜の部 19:30開演
夜の部 ダイジェスト能「安達原」
銀座に誕生した、美しい能楽堂。
ぜひ一度、足をお運びください。